10月16日の「日本経済新聞」記事によると、飲料メーカーのサントリーは、青島ビールの株を同社に売却し、同社との合弁を解消した。サントリーの中国法人が50%を出資する合弁会社の全株式を青島ビールに譲渡。青島ビールはブランド使用権を譲り受ける。中国は世界最大のビール消費国だが、市場は明らかに停滞傾向にある上、競争が激しくなる一方だった。両者の合弁業務は2012年に始まった。合弁解消後、サントリーは成長分野である洋酒とワインに経営資源を集中させる。
サントリーは2016年上半期までに、合弁企業の全ての株を譲渡する。その金額は100億~200億円と見積もられている。合弁企業は「サントリービール」と「青島ビール」の2ブランドを持ち、上海と江蘇省地域で生産と販売を行っている。年間売上高は400億円前後で、2014年は8600万ケース(1ケース20本)を販売した。
「サントリービール」は上海市場で約30%のシェアを占め、3400万ケースを販売する。日本のビールブランドの中でシェアの半分を握っている。青島ビールは今後ブランド使用権を譲り受け、サントリービールの販売を続ける。
サントリーは1981年に中国のビール市場に進出した。イギリスの調査会社「ユーロモニター」の調査によると、サントリーは中国市場において、日系メーカーの中では首位に立つものの、そのシェアはわずか1.4%。ビールメーカーランキングでは8位にとどまる。同社は自主経営モデルから合弁モデルへと変換し、市場シェアの拡大を目指してきた。しかし中国でトップに君臨する「華潤雪花ビール」などと苛烈な価格戦を演じ、最終的に赤字に陥った。
中国は世界のビール消費の4分の1を占める巨大市場だ。しかし経済減速や反腐敗運動の影響により、2014年のビール消費は初めて前年度割れとなった。サントリーは、青島ビールとの合弁を続けても大きな成長は見込めないと判断。中国市場ではワインと洋酒に重点を移す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年10月20日