李克強総理は11月1−2日、ソウルで開かれた第6回中日韓首脳会談、第5回中日韓ビジネスサミットに出席した。3年半ぶりに再開された中日韓首脳会談が、北東アジア諸国間の複雑な政治・経済関係にどのような影響を及ぼすかが、人々から広く注目を集めている。 2008年の経済危機発生後、北東アジアに位置する中日韓の経済関係の強化が続いたが、中韓両国と日本の政治関係は冷え込みを迎えた。さらには領土・歴史問題を巡り、激しい対立が生じた。北東アジアの「経熱」は、政治的な隔たりによる国家間の溝を埋めなかった。
21世紀以降、「政冷経熱」が北東アジア、特に中韓両国と日本の関係の基本的な姿となった。そのうち「経熱」は国家間の相互依存の強化による自然な結果であり、「政冷」は客観的な要素による制限もあるが、3カ国政府が情勢の制約を受け自ら選んだ選択でもある。しかしながら「経熱」がある程度まで発展すれば、往々にして「政冷」のボトルネックに直面する。「1つのエンジン」が地域内の協力をリードして数年後、北東アジアは政治・経済の「2つのエンジン」による推進を必要としている。
今回の首脳会談で採択された「北東アジア平和協力共同宣言」は、近年の北東アジアの最も重要な政治文書と呼べる。この文書は前文の中で、「今回の首脳会談の実施は、3カ国の協力の全面的な回復を象徴する」と明記し、最後に「日本が2016年の3カ国の協力の調整国になることに期待する」とした。これは毎年開かれる中日韓首脳会談の枠組みが正常化したことを意味し、北東アジアの地域政治環境も3カ国の政治・経済の全面的な協力の再開により再構築されることを意味する。
中日韓の全面的な協力の再開は、二国間関係の画期的な進展が困難な状況下、「多国間主義」の価値が往々にして重要であることを示した。世界の政治における複雑なもつれが、各国のさまざまな世界的枠組み内における「グローバル・ガバナンス」に影響を及ぼさないのと同様、北東アジアの地域ガバナンスと協力も3カ国の多国間枠組み内で共同推進する必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年11月3日