中国人記者が思う日本の出産奨励が奏功しない原因

中国人記者が思う日本の出産奨励が奏功しない原因。

タグ: 日本 出産奨励

発信時間: 2015-11-04 10:59:57 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本は、OECD諸国の中で高齢化と少子化が最も深刻な国である。日本政府は早くから、日本が高齢化と少子化の泥沼に陥りつつあることを認識し、「少子化社会対策基本法」や「少子化社会対策大綱」など少子化に対応する様々な法律法規や国家戦略を制定し、出生率の向上に努めてきた。だがその効果はほとんど上がっていない。

日本人の多くは依然として、子どもを育てることは大きな負担だと感じている。収入の縮小や雇用・職場の不安定もこれに加わり、多くの人にとっては結婚までもが難しくなっている。2010年の統計によると、日本の30歳から34歳までの女性の未婚率は約35%、35歳から39歳までの女性の未婚率も23%に達している。さらに35歳から39歳までの日本人男性の未婚率は35%とさらに高く、20%を超える日本人男性は生涯独身のままだという。

出産を奨励するため、日本は1972年から、児童手当制度の施行を続けてきた。だが育児コストの大きさを考えれば、手当金は「焼け石に水」であり、出生率の向上には実質的な意義はないとの研究もある。

保育所を見つけるのが難しいことは中国人の保護者の悩みのタネだが、日本でも同様の問題があり、「待機児童」問題と呼ばれている。幼児を保育園にすぐに入れることができず、長い間待たなければならないという問題である。2014年の日本全国の待機児童は2万人余りに達する。この数字はそれほど大きくないとも言えるが、両親の不安は払拭できておらず、日本政府と地方自治体は子どもの両親を支える手立てを模索し続けている。政府は幼稚園教諭の待遇を高める必要があるとの研究もある。

中国での保育園問題との最大の違いは、日本の幼稚園と保育園のほとんどは公立だという点にある。保育園は0歳から児童を預かっており、赤ちゃんが揺り籠にいる頃から保育園に預けられるケースもある。費用は家庭の収入に応じて決まる。新華社駐東京記者は5年前、日本で1歳の子どもを保育園に通わせていたが、低所得家庭に属するためにいかなる費用の負担も必要なかったという。

だが児童手当や夜間も使える保育施設も、日本の家庭の子どもを産み育てる意欲を根本から高めることはできていない。日本人女性の出生率の低下の最も主要な原因はやはり経済環境の悪化にある。家庭の収入減と観念の変化に伴い、結婚や出産の後も仕事を続けたいという日本人女性は増えている。さらに労働力不足から、日本政府も、女性が経済成長により大きな役割を果たすことを期待している。一方では女性が結婚後も働くことを奨励しながら、もう一方では女性が多くの子どもを産み育てることを望む。もともと両立の実現が難しい問題とも言える。

日本政府は法律面では、育児をする女性に各種の権利を保障している。だが女性が育児を決意するには、ポストの異動や収入の低下など巨大なコストを覚悟する必要がある。現実的な経済的圧力を前に、安心して子どもを産む家庭環境を得るのは難しい。雇用者である企業から見ると、育児休暇制度が充実していればいるほど企業の経営にとっては不利となる。そのために企業側は、女性の育児の機会費用を高めるという手を使っている。日本労働組合総連合会がこのほどまとめた調査によると、過去5年に勤務期間に妊娠した女性のうち、思い通り育児休暇を取ることができなかったという女性は約40%に達した。また職業女性の出産育児に対する社会の意識が変化したとは感じられないという女性は60%を超えている。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年11月4日

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