3年半ぶりとなる中日韓首脳会談が、11月1日にソウルで開かれ、積極的な成果が得られた。各首脳は3カ国の経済協力の促進、中日韓自由貿易区の建設および地域の経済統合の推進、北東アジアの安全といった重要な問題で広く共通認識を形成し、「北東アジア平和協力共同宣言」を採択した。3カ国の首脳会談の再開成功は、3カ国の協力が本来の軌道に戻ったことを象徴する。中国の李克強総理、韓国の朴槿恵大統領はそれぞれ、日本の安倍晋三首相と二国間会談を開き、中韓と日本の関係改善に重要な影響をもたらした。
協力の強化は、中日両国の唯一の賢明な選択肢だ。中日は一衣帯水の隣国であり、中日関係は両国にとって最も重要な二国間関係の一つだ。中日の国交正常化から40年に渡り、二国間関係は長期的な発展を実現した。特に経済・貿易関係は、飛躍的な成長を見せた。中国は日本にとって最大の貿易相手国、日本は中国にとって2番目の貿易相手国、主要な外資来源国だ。双方の依存関係は、かつてないほど深化されている。しかし過去3年間に渡り、両国関係は冷え込みを迎え、経済関係が特に著しく低迷した。
残酷な現実は、中日が両国関係のこれ以上の悪化に耐えられないことを示している。日本は貿易国で、中国は最大の貿易相手国だ。日本の貿易総額に占める対中貿易額は2014年に21%に達し、輸出総額に占める対中輸出額は25%に達した。中国の貿易総額に占める対日貿易額は7.5%、輸出総額に占める対日輸出額は5%のみ。日本経済の対中依存度は、中国の対日依存度をはるかに上回る。安倍首相は経済中心の施政方針を掲げているが、日本経済は低迷と衰退に陥っている。これは中日関係の悪化による、両国の経済・貿易関係の悪化と大きく関係している。国内外および経済の苦境から脱することは、安倍内閣の当面の急務である。これはまた安倍首相が対中政策をある程度調整し、対中関係を改善し、中日韓首脳会談および中日首脳会談の実現を急いだ主因でもある。
現在の中日関係はすでに対立・対抗の最悪の時期を抜け出した。双方は一部の係争・問題をめぐり妥協し、両国関係の緩和・改善の流れを維持する見通しが出てきた。しかし中日関係の発展が順風満帆となることはない。安倍首相の哲学的理念である間違った歴史観は、変えようと思っても難しい。安倍内閣の中国に対する強硬な政策に、短期間内に大きな変化が生じることはない。中日間の一部の構造的な食い違いは、なおも存在し続ける。中日関係が、隣国と友好的に交流し、ウィンウィンを実現するという主流に回帰するまで、まだ時間が必要だ。(尹承徳 中国国際問題研究基金会研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年11月4日