生前被害について訴える張先兎さん(2015年5月撮影)
日本で裁判を起こした最後の元中国人「慰安婦」張先兎さんが12日午前9時15分、山西省盂県西煙鎮の自宅で死去した。中国新聞網が報じた。
1990年代から、第2次世界大戦中に日本軍の性的暴力を受けた中国人女性16人が、相次いで日本政府を相手に、謝罪と賠償を求める訴訟を起こした。2000年、張さんは初めて、日本を訪問して証言台に立った。しかし、07年、日本の最高裁判所は、被害の事実は認めるもの、賠償は行わないという最終判決を下した。その理由は、▽時効が過ぎている▽日本の法律は個人は政府を相手に訴訟を起こせないと規定している‐‐の2つだった。
今年5月、筆者が訪ねた際、張さんは病気を患い、薬が手放せない生活を送り、苦しい生活を迫られていた。それでも、張さんは自分の思いを子供たちに託していた。張さんの2番目の息子・郭艾明さんは、「母親は病に苦しんでいるものの、信念に支えられている。日本で敗訴して帰ってきてから、日本政府の謝罪を聞くというのが執念になっている」と話してくれた。