日本の安倍晋三首相は今週より、年内最後の外遊日程を開始する。目的地は、インドだ。安倍首相は先週、インドのモディ首相とパリ郊外で会談したばかりだ。21日のASEAN関連首脳会議でも、単独で会談したばかりだ。安倍首相はなぜ今月、再びモディ首相と会うためインドを訪問するのだろうか?
「地球儀を俯瞰する外交」を提唱した安倍首相は近年、外遊の過密スケジュールを組んでいる。政府専用機がフル稼働し、作業を担当する自衛官も極度の疲労に陥っている。すでに還暦を迎えている安倍首相ならば、自ずと疲労に耐えないはずだ。ここからは安倍首相が今年を締めくくる外遊で、どのような計算をしているかを分析していこう。
【原発と新幹線の事業提携】
安倍首相は今月11-13日にかけて、3度目のインド訪問を実施する。双方は日印原子力協定の交渉を加速し、日本のインドへの原発輸出の早期実現を目指す。安倍首相はインド西部で建設する予定の初の高速鉄道に、日本の新幹線方式を採用するようPRする予定だ。
モディ首相は昨年の訪日前のインタビューで、▽海上自衛隊のUS2水陸両用機のインド輸出の問題解決▽日本との原子力協定の締結、日本のインドへの原発輸出の実現▽日本の新幹線の導入―という自らの3大目標を明かしていた。しかし昨年の共同声明で、この3大目標は依然として「検討」「協議」の段階にあり、実質的な進展はなかった。
今回の会談では、両国の昨年の首脳会談で合意に至らなかった問題の交渉が推進されることになる。しかし原子力協定については、両国の間に食い違いが残されている。インドが核不拡散条約(NPT)の締約国ではないことから、日本は国産原発を提供することで、国内外から強い反発を受けている。日本は交渉の中で、プルトニウムを軍事目的に使用しない制限措置を講じるよう求めるが、具体的な措置について双方は歩み寄りを見せていない。
防衛協力も人々から注目されている。報道によると、双方は海上自衛隊の多国間海上共同訓練(マラバール)への参加継続、インドへのUS2の輸出といった問題について確認する。