【特別な関係、実質なき中身】
観測筋はインド訪問による実際の効果を楽観視していない。昨年のモディ首相の訪日で、双方はカメラの前で「特別な関係」をPRしたが、実際に交渉のテーブルにつくと双方の願いの間に温度差が生じた。安倍首相が主張する両国の外相・防衛相による「2プラス2」の枠組みに対して、インドは「検討可能」と表明するに留まった。安倍首相はインドに新幹線を輸出し、巨額の円借款を提供しようとしているが、インド側は即答を避けた。安倍首相はインドに対して、地域内の敏感な問題で強硬な姿勢を示すよう求めたが、モディ首相はその手に乗ろうとしなかった。
自国の目標を達成できなかったことから、日本は準備していた「手厚い礼」を減らした。日本の水陸両用機の導入、原子力協定の早期締結について、日本側は名答を避けている。
安倍首相が提唱する「積極的平和主義」が、実際には外交を軽視し武力を重視していることが、その言行からも明らかだ。いわゆる「価値観外交」は冷戦時代の思考を持ち、経済協力を他国をけん制・包囲する手段と見なしている。対照的に、インドは自国の戦略的需要を重視し、日本から経済開発の資金・技術援助を受けようとしている。実用主義の政策を進めるモディ首相が、日本のために中国を敵にすることはない。経済援助だけでインドの意志を支配しようとする日本の目論見は、そうたやすく実現されることではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月8日