中日韓という3カ国ほど、政治・経済・文化的な関係が緊密かつ複雑な隣国は世界に例を見ないだろう。3カ国の経営者の、相手国の経済の先行きに対する注目点を理解するため、環球時報の環球輿情調査センターは韓国の毎日経済新聞、日本の日本経済新聞と共同で、中日韓の300人以上の経営者を対象に調査を実施した。調査内容には、経営者の2016年の世界経済情勢に対する判断、経営戦略の調整が含まれる。
調査報告書によると、3カ国の経営者は「中国経済の成長率の低下」が、世界経済に影響を及ぼす主な要素になるとした。3カ国の経営者は「製品・サービスの質向上」を、その対策とした。
日本の66%、中国の29.9%、韓国の37.3%の経営者は、2016年の世界経済は前年から「ゆるやかに回復する」と回答した。また中国の48.6%の経営者は、世界経済が「停滞する」としたが、「急速に悪化する」は0.9%のみだった。企業の経営戦略について、中国の60.8%、日本の80%、韓国の64.4%の経営者は、自社の2016年の売上が前年よりやや増加すると回答した。日本企業(中国)研究院執行院長の陳言氏は、環球時報の記者に対して、「近い将来に利益を創出できると信じる、言い換えるならば今後を楽観的に判断しがちなことが、経営者の最大の特徴だ。3カ国の企業が、製品・サービスの質向上に尽くせれば何よりだ。特に中国企業が製品の質を高め、サービスの内容を拡大できれば、中国市場には多くの開拓の余地が生まれるだろう。サービスの質向上により中国経済は新たな発展を手にする。この発展は中国にとって有利であり、韓日に新たなチャンスを与える」と指摘した。
中日韓の経営者は、「中国経済の成長率の低下」が、世界経済に大きな影響を及ぼすとした。韓国最大の正規品直接購入サイト「PANDA KOREA」の李鐘植総裁は、韓国人経営者が中国経済に注目する理由について、「韓国国内の研究によると、2016年の中国経済の成長率が5%前後で推移した場合、韓国経済の成長率は少なくとも1ポイント低下するとされている。韓国の2015年の対中輸出は輸出総額の26%を占めた。この数値だけを見ても、中国経済の韓国に対する影響がどれほど大きいかが分かる」と語った。
「中国の生産能力過剰が国際市場の価格低下を引き起こし、企業の業績に影響を及ぼすか」という設問に対して、日本の45.4%の経営者は自社への「影響はまったくない」と回答した。「現時点ではないが、今後は一定の影響を受ける」とした韓国人経営者の比率が41.6%で最も高かった。中国の20.6%、日本の19.6%、韓国の21.8%の経営者は、「すでに一定の影響を受けている」と回答した。陳氏は、「日本では1960年代に過度な投資が生じ、70年代のオイルショックにより産業の調整が行われ、90年代より失われた20年が始まった。これらの段階により日本企業は先に、生産能力過剰に対応する能力を手にした。国は産業政策を通じ、過剰を調整するある程度の能力を持つ。そのためこの20年間で、大規模な投資はほとんど行われなかった」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年1月8日