日本の国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)ネット依存外来を受診した患者の70~80%は中学生、高校生、大学生である。スマートフォンだけでなく、パソコンやゲームに依存する患者もいる。樋口進院長によると、最近は診療に訪れる小学生もおり、注意欠如多動性障害(ADHD)やうつ病と診断される児童もいる。
成城墨岡クリニック(東京)ではネット依存症と診断された患者が急増し、患者数は2013年に285人と6年で約3.5倍になった。患者の平均年齢は17.8歳、最年少は10歳である。
墨岡孝院長は、会員制交流サイト(SNS)が人間関係に影響し、常に連絡を取り合わなければ不安になる「きずな依存」が増えていると分析。
墨岡院長はネット依存症が低年齢層に広がる理由について、「親が依存のリスクを考えずに、おもちゃ代わりにスマホを持たせることがある」と説明。ネット依存症の児童は成績が落ち、不登校や引きこもりになるといった悪循環が生じる恐れもある。
2013年度時点で、日本の小学生の3分の1以上がスマホや携帯電話を所有している。総務省の14年の調査によると、休日にスマホでネットを利用する時間は10代が約3時間15分と全世代の中で最も長い。
児童の視力低下、肩こり、使い過ぎを注意すると怒るなどはネット依存が疑われるという。また、専門家は、「親がラインなどを常に利用すると、子どもがまねて依存するきっかけになる」と注意を促している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年2月23日