豪州の潜水艦輸入計画、仏発注の思惑は?

豪州の潜水艦輸入計画、仏発注の思惑は?。

タグ: 豪州 潜水艦

発信時間: 2016-04-27 16:12:08 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

マルコム・ターンブル豪首相は26日、仏造船大手DCNSが日独企業を破り、豪海軍の潜水艦12隻の大規模発注を受けたと発表した。契約額は500億豪ドル(約385億5000万ドル)にのぼると見られる。

日本がPRに力を入れていたそうりゅう型潜水艦は、豪州から一時注目を集めた。軍事専門家の杜文竜氏は、新華社のインタビューに応じた際に、「豪州が日本をやめフランスを選んだのは、価格、需要、国内外の政治的要素を考慮してのことで、理性的な選択だった」と指摘した。

【コストパフォーマンス】

杜氏は、「総合的に見ると、日独の潜水艦はコストパフォーマンスの面でフランスにやや劣る」と述べた。

そうりゅう型は高額で、1隻当たりのコストは原潜に近い。豪州はこれを受け入れられなかった可能性がある。またそうりゅう型は新しすぎ、海外輸出の記録もなく、技術的信頼性も疑問視されている。杜氏は、「ドイツの214型潜水艦は輸出が好調で、技術的にも成熟しているが、排水量は2000トンのみだ。豪州は海岸線が長く、巡航を頻繁に行わなければならない。2000トン級の潜水艦では、航続距離の需要を満たせない」と分析した。

【つかず離れずの立場】

世界の武器貿易は、「軍事協力の風見鶏」とされており、政治的カラーが濃い。豪州の大規模な輸入は、政治的な要素を考慮しなければならない。

まず内政についてだが、この潜水艦の発注は豪州の数千人の雇用に関わるため、7月に実施される見通しの両院解散・総選挙に重大な影響を及ぼす恐れがある。そのため豪政府は、豪州での建造を求めていた。日本はこれに消極的で、ある程度の譲歩を示したが、ドイツやフランスと比べると不十分だ。これは日本が受注できなかった、最も重要な要素とされている。

ロイター通信は、「日本の潜水艦を調達すれば、豪州と米日の戦略・軍事協力関係を強化できる。日本にとってもこれは、戦後の防衛政策から脱却する、象徴的なケースとなるはずだった。しかしこのような動きは豪州と中国の関係を損ねる恐れがある。中国は豪州にとって最大の貿易相手国だ」と分析した。

日本は武器輸出を解禁したばかりだ。そのため武器輸出の経験が乏しく、大きな弱点とされた。

杜氏は、「オーストラリアは各国と海を隔てており、重大な国際紛争に巻き込まれず、安全だ。米日との緊密すぎる連携は、むしろ豪州の悩みの種になる。その一方でフランスは米国の同盟国ではあるが、中立的な立場で、独立した自主的な外交政策を推進している。豪州が米日関係を処理する際に、一定の距離を保ち、つかず離れずになろうとしていることが分かる」と指摘した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年4月27日

 

 

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