写真は2013年8月6日の福島県大熊町。現地の職員と専門家が、福島第一原発の海側の護岸を視察。政府の原子力災害対策本部は前日、福島第一原発から毎日300トン以上の汚染水が海に流れていると発表した。
環境省はこのほど、放射線量が一定限度以下の汚染土壌を、道路などの公共事業に使用することを決定した。安全利用基準の問題、これらの汚染土壌の長期管理の問題から、日本メディアは放射能汚染が拡散する懸念を呼ぶとしている。
1日付毎日新聞によると、環境省は約1000万立方メートルの、放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレル以下の汚染土壌であれば、全国の道路建設などの公共事業に利用することを決定した。さらに汚染土壌を土砂やアスファルトなどで覆うことで放射線を遮断するという。早ければ今夏より使用開始される。
一部メディアは、放射線量1キロ当たり8000ベクレル以下は、廃棄物の安全処理の基準であり、安全な再利用の基準ではないとし、政府の決定が懸念を引き起こす可能性があると報じた。
日本の「放射性物質汚染対処特措法」によると、廃棄物の安全処理基準は放射線量1キロ当たり8000ベクレル以下となっている。しかしいかに大量の汚染土壌を処理し、その放射線量を1キロ当たり100ベクレル以下という安全な再利用基準にすべきかについては、結論が出ていない。
福島原発事故後、日本の関連部門は土壌の表面を削ることで大量の汚染土壌を集めた。これらの土壌は福島県で山のように積まれており、総量にして2200万立方メートルにのぼる。この地表の汚染物質を処理する作業は、日本で「除染作業」と呼ばれている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月4日