日本参院選の最終的な開票結果が11日、明らかになった。非改選議席を含め、憲法改正に賛成する「改憲勢力」が、参議院の3分の2以上の議席を占めた。与党が衆議院で3分の2以上の議席を占めていることから、憲法改正の基本的な環境が整ったと言える。安倍晋三首相はテレビ番組の中で、改憲に関する議論を進め、国民投票を行う意志をほのめかした。
「改憲勢力」が勝利
最終的な開票結果によると、改選121議席のうち自民党が55議席、公明党が14議席を獲得した。非改選議席を加えると、自民党と公明党による連立政権は参議院で145議席を占めていることになり、改選前の135議席から大幅に増加し、過半数を占めた。
また、改憲に賛成する自民党、公明党、大阪維新の会、日本のこころを大切にする党は改選により76議席を獲得した。これに改憲賛成の無党派議員を加えると、参議院の「改憲勢力」議席は3分の2以上になる。衆議院において、自民党と公明党はすでに3分の2以上を占めており、憲法改正の基本的な環境が整っている。
改憲推進、安倍氏の策とは?
改憲勢力が圧勝したのは、民意を操る安倍首相の政治的常套手段が奏功したことと、自民党内外のライバル不在という現状が原因だ。これは安倍首相が危険なハードルを突破する、2つの大きな推進力だ。
まず、日本社会は独立性が弱く、政府が中心になり議題を設定する。「アベノミクス」により政治的私心を隠すことは、安倍首相が飽きもせず使用している手段だ。安倍首相は長期政権運営を目指し、2014年11月に衆議院を解散し、「日本経済の回復の道に支障あり」「アベノミクスの国民の信を問う必要がある」などを口実とし、有権者の支持を集めることで続投を決めた。しかし安倍首相は選挙後、集団的自衛権の行使容認を軸とする安保法改正に勢力と政治資源を注ぎ、最終的に安保法を強行採決し、平和憲法の礎を蝕んだ。安倍首相は今回の改選前、再び有権者に「経済のカード」を切り、敏感な改憲問題の言及を避け、再び人々の注意をそらすことに成功した。
次に、現在の日本の政界を見ると、安倍首相は自民党内にライバルがほとんどいないばかりか、民進党を中心とする野党にも民意の気運を高める強い力がなく、安倍政権の実質的な脅威になりがたい。
日本大学の岩井奉信教授(政治学)は、「今回の参院選の改選結果は、野党がただ安倍政権を批判するだけで、自らはより明瞭で中身が豊かな政策の主張を出さないという状態に留まるべきではないことを示した。長期的に見ると、このような方針は有権者の、自民党が嫌でも民進党には期待できないという、苦しい選択を変えることができない」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月12日