中国の傅聡軍縮大使は16日、国連軍縮交渉会議2016年第3期会議で「広島、長崎の原爆を見るには、歴史の全容意識と相手の立場になって考える意識が必要だ」と主張した。新華網が伝えた。
会議には日本の高校生22人が参加した。長崎の生徒代表は会議で「核兵器なき世界」の構築を呼びかけた。傅大使は日本の生徒の質問に、まず広島と長崎の青少年が軍縮交渉会議に来たことに歓迎の意を表明。日本の青年が核なき世界の実現と世界の恒久平和を望んでいることを評価した。
傅氏は続いて「広島、長崎の原爆と第2次大戦の歴史をどう見るかについては、歴史の全容意識と相手の立場になって考える意識があるべきだ。この歴史を正しく受けとめるには、第2次大戦の経緯に対する全面的で踏み込んだ理解が必要だ。これには戦争を誰が始めたのか、どう進んだのか、そして一連の歴史的事件の間の因果関係が含まれる。第2次大戦の大きな背景を離れて、広島、長崎の原爆を孤立的に受けとめては、誤った結論にいたる可能性が高い」と主張。
「第2次大戦の戦火はアジア、欧州、アフリカ、オセアニアに及び、軍民の死傷者は1億人を超え、このうち中国の死傷者は3500万人を超えた。この戦争において特定の国は国際法に違反して生物化学兵器を使用し、数百万人の中国軍民を死傷させた。そして選択的記憶または選択的忘却は人類の良識に背くものだ」と主張した。
また「広島、長崎の人々が受けた苦難のみを見て、他の国の人々が受けたより大きな苦難を見ないのでは、歴史認識の偏りを避けがたい」「歴史を銘記するのは、恨み続けるためではなく、歴史の教訓を汲み取り、将来に対して正しい選択をするためだ。忘却、歪曲、隠蔽は、われわれが歴史の重荷を真に下ろす助けにならない」などと主張した。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年8月19日