「米日防衛相が会談し、両軍が南中国海を共同巡航することを宣言した」。米メディア「ボイス・オブ・アメリカ」ウェブサイトは16日、米国のカーター国防長官が15日、訪米中の日本の稲田朋美防衛大臣とペンタゴンで会談したと伝えた。一方、中露が南中国海で行っている海上軍事演習は第2段階に入り、演習項目の一つ「島奪還」が注目を集めている。
中日問題専門家の高洪氏によると、ここ最近、中国の積極的な平和的措置に伴い、南中国海の情勢には解決または緩和の傾向が現れていた。これは米日、とりわけ日本を焦らせることとなった。日本は、南中国海へのさらなる介入を目論んでいる。これは一方では、中国を引き続き包囲・牽制していくという強硬な態度を見せるためである。もう一方では、米日による南中国海での共同巡航が実現すれば、様子見または「消極的」な態度を保っている南中国海周辺の国に圧力を加えることができるためだ。
フィリピンとベトナムはともかく、米国のアジア太平洋におけるもう一つの同盟国であるオーストラリアは、南中国海問題に対する態度で微妙な変化を見せている。豪AAP通信の17日の報道によると、オーストラリア労働党のビル・ショーテン党首は16日、ワシントンで行われたグローバル・リーダー・フォーラムで、オーストラリアは南中国海問題における一貫した立場を変えるべきではないとし、「南中国海における米海軍の行動へのオーストラリア海軍の参加が航行の自由の助けとなるとは考えていない」と語った。国連総会参加のために訪米したオーストラリアのビショップ外相はワシントンで同日、ヒラリーとトランプの大統領選トップアドバイザーと会談した際、類似の立場を表明し、「オーストラリアは南中国海問題の当事国ではなく、どちらにも肩入れしない」と語った。ビショップ外相はさらに、もしも米国が「環太平洋パートナーシップ協定」(TPP)に早期に署名できなければ、オーストラリアは地域の自由貿易協定に目を向けることとなると警告した。
今でも米国にしっかりと追随している唯一の国は日本である。CNNが17日に引いた京都大学のパブリック・ディプロマシー学教授のナンシー・スノーの話によると、安倍首相の指導の下、日本はすでに、日本自衛隊が「さらなる干渉主義」を取り、米国との同盟をさらに緊密にしていくことを明らかにしている。中国は現在、米国との激しい競争関係にあり、中国は、南中国海の権益についての主張から一歩も後退することはないと考えられる。「日本は、71年にわたって平和主義を守ってきた。だが現在、多くの日本の政治家は、これを変える時が来たと考えるようになっている。だがもしそうならば、日本の民衆はなぜこれに加わろうとしないのか。日本の実力は貿易と文化から来ているのであり、軍事的なプレゼンスを際立たせることからなっているのではない」とスノー氏は語る。「日本はいつか、世界における軍事的なプレゼンスを強化しようという企図によって大きな損失を被ることになるだろう」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年9月19日