今年9月18日は「九一八事変」、つまり満州事変の85周年だった。元南京大学天文学部教授である韓伝寿氏は17日、「揚子晩報」のホットラインに電話を掛けた。そして何年も保存してきた2枚の「満州派遣従軍記章」を公開したいと申し出た。韓さんは、十数年かけて8種類の「従軍記章」を集めてきた。これらは日本が中国を侵略した動かぬ罪証である。韓さんは、歴史を忘れぬよう国民に警鐘するため、「満州派遣従軍記章」を瀋陽にある「九一八歴史博物館」に寄贈したいと語っている。
韓さんは今年82歳。民間収集家として数十年間、倹約しながら給料や退職金の多くを、抗戦関連の物品の購入に費やしてきた。社会公益事業に熱心な人である。昨日の午前、記者は韓さんの家に8種類の記章を見に行った。1894年の日清戦争、1905年の日露戦争、1931年の九一八事変、1937年の盧溝橋事件時期の記章があった。保存が良く、高い歴史的価値を持つ。最も古いのは日清戦争の記章である。九一八事変と最も密接な関係があるのは、「満州派遣従軍記章」と「昭和六年乃至九年事変従軍記章」である。
1874年より、日本が侵略戦争を発動するときはいつでも「他国への出兵」という名目を使ってきた。日本帝国の法令上の仕組みから「従軍記章」というものが作られた。そして戦争に参加・出兵した軍人に配られた。それは「表彰」と「功績」を意味するものである。1945年に日本が敗戦した際、これらの記章は集中的に処分された。そのため、現在それを入手するのは困難である。
韓さんによると、「満州派遣従軍記章」は、1931年9月から1935年10月にかけて中国侵略行動に参加した軍人を対象に、日本政府が1935年3月23日に与えたものである。桐の葉の形をしており、裏面には日本が東北三省を侵略して“満州国”を建設した全過程が刻まれている。貴重な日本による中国侵略の罪証のひとつである。「瀋陽九一八歴史記念館には現在、この記章は所蔵されていない」。
韓さんは自分の所蔵品を紹介してくれたとき、全ての記章の歴史的事実を詳細に記録した黒いノートを持っていた。「私は子供の頃、家が日本人に侵略された経験がある。そのためこれらの歴史資料は、幼年時代に傷ついた心の癒しでもある。我が家の記章は、他の多くの博物館より揃っていますよ」。韓さんは十数年をかけて全国各地の従軍記章を人づてで集めてきた。長年にわたって韓さんは、南京大虐殺記念館や上海淞滬抗戦記念館、南京抗日航空烈士記念館などに、無償で100枚の記章を寄付している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月20日