日本はこれまでずっと、解放軍とりわけ海軍の装備動向に高い関心を払ってきた。日本の雑誌『SAPIO』10月号の報道によると、「長江下流にある上海市近郊の長興島で中国海軍が空母の建造を密かに進めている」のだという。この記事には、日本人記者の相馬勝がこの基地の付近に「潜入取材」した経過が詳しく書かれている。
記事によると、相馬はタクシーに乗って上海市中心から南東に1時間走り、長興島の対岸に到着した後、さらにタクシーで海底トンネルを約20分走行して長興島に上陸した。「島内にも東西に縦断する高速道ができているが、真新しいアスファルトは車がほとんど通った跡がないほどきれいな黒色だ」。路上では時折、島民の乗る自転車や農作物を運ぶ女性の三輪車を見かけただけだという。相馬は、道路左に止められている数十基もの鮮やかな赤色の大型クレーンに目を止めた。「あれは何だ」と運転手に聞くと、「海軍の造船所だ。航空母艦を造っているんだ。地元では知らない者はいない」との答えが返ってきたという。相馬は造船所にできるだけ近付きたいと思ったが、高速道路は工場エリアには通じておらず、激しい陽光と水蒸気でぼやけたクレーンと工場の建物を遠くから見るしかなかった。相馬が帰国後、撮影した写真をできるだけ拡大すると、工場やクレーンの右側に船らしい影が見られたが、空母の一部なのかはわからなかった。
相馬は造船所の周辺を歩いている時、数十人の作業員が河岸の埋め立て作業をしているのを見た。地元の農民に話を聞くと、「空母が完成するのを待って、数年後には大きな海軍基地が建設されるといううわさだ」との答えが返って来た。また高速道路の右側のある場所には10基以上の大型クレーンが停められていた。その後の調べで、これは中国船舶工業集団公司の江南造船所であることがわかった。江南造船所は2005年に長興島に移転され、2008年には新たな造船所が完成した。この造船所は、長興島の河岸3.8kmにわたって広がり、4つのドックヤードと9つの桟橋を持つ大規模なものだという。
記事によると、相馬は上海最大の書店「上海書城」で、長興島が属する行政区画である崇明区の最新地図を購入したが、この地図には長興島の造船所の位置はまったく書かれていなかった。相馬は、これほど大きな造船所が空白となっているのは意図的であるのに間違いなく、造船所は市販の地図には載せることができない「軍事機密」扱いになっていると確信したという――。
ある中国の軍事専門家は18日、『環球時報』記者に対し、中国側は、日本メディアが大げさに描くようには国産空母の建造を隠そうとはしていないと指摘した。国産空母の最新の進展に関する写真をインターネットで見つけることができるだけでなく、国防部の呉謙報道官も8月の定例記者会見で、「初の国産空母の建造の進展は順調である」ことを明らかにしている。中国がこだわりなくその軍事力を見せているのに比べれば、日本メディアのこそこそとした態度こそ、別の魂胆を疑わせるものと言えないだろうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年9月21日