中国の国慶節長期連休中、日本の百貨店や観光施設などの商戦が全面的に展開された。円高や関税引き上げにより、「爆買い」が一服。苦戦を強いられた百貨店は航空会社との提携などの手を尽くし、買い物客を集めようとした。その一方で中国人客の観光は「買い物」から「体験型」に転じつつあり、観光施設が活況を呈した。日本経済新聞(電子版)が8日に伝えた。
今年の国慶節商戦は、訪日客の消費減を背景とし開始された。百貨店は厳しい情勢を迎えた。大丸松坂屋百貨店の好本達也社長も「2日現在で、買い物客は昨年を下回っている」と述べた。同店は春秋航空や吉祥高空の便を利用し関西などを訪れる中国人客に対して、機内で500-1000円のクーポン券を配布している。
高島屋京都店では、装飾品類の販売が伸び悩んだ。同店は「免税品の販売量を拡大し、前年と同水準の売上を確保したい」とした。
高級品の販売が不振に陥っているが、薬局で販売される薬品や日用品の売れ行きが好調だ。中国人から「神薬」と呼ばれる薬品を作る小林製薬は、大阪心斎橋筋商店街のドラッグストアなどに、中国語の広告を設置した。カウンターには目薬のアイボンなど人気商品を並べ、需要の増加に対応した。
また、中国人のリピーターも増えている。注目の焦点は買い物から体験に転じている。JTB西日本が運営する観光案内所「関西ツーリストインフォメーションセンター」(大阪市)では、中国人客が前年比で約5割増となった。有馬温泉行きの通し切符や一日乗り放題切符などの購入が目立った。
大阪市中央公会堂と大阪城などの夜景を楽しむ「中之島夜景クルーズ」は、中国語などの外国語を話すガイド7人を追加。昨年の国慶節と比べ、外国人客が約2割増加した。中国人客を中心に賑やかになった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年10月09日