白髪の元教員、半谷弘男さんは重い足取りで、南京民間抗日戦争博物館の4階建ての建物を歩いた。階段の壁には各国の見学者による、中国語・英語・日本語のメッセージがびっしりとつづられていた。半谷さんは「歴史の真相を伝えるためには、民間の声が不可欠だ」と述べた。
同博物館は14日夕方、南京市で中日韓民間交流会を開いた。韓国の「アジア民間平和文化交流会」、日本の「アジア太平洋・平和文化フォーラム」の訪問団が、南京大虐殺の生存者の遺族、戦争犠牲者の遺族と着席し、共に歴史を振り返った。
白髪の馬明珍さんは、父の馬衡良さんが旧日本軍により迫害された死亡した経歴を語り、涙を流した。「真相を口にするのは、恨みを引き起こすためではなく、人々に平和を惜しんでもらうためだ。戦争で私は両親を失った。別の人に悲劇が再演されることを願わない」
梁心流さん(72)の妻の母、梅寿蘭さんは南京大虐殺の生存者だ。「義母は一家10人が殺害され、村の家13軒が焼かれるのを目の当たりにした。恨んでいないと言うのは、容易なことではない。ところが時間の流れとともに、義母はゆっくり恨みを忘れようと口にした。彼女は戦争に反対し平和を愛するよう、公の場で世界に呼びかけたことがある」