日本は2001年に第2期科学技術基本計画を打ち出し、ノーベル賞受賞者50年で30人という目標を明確にした。日本のこの計画は過去17年間で早送りボタンを押したようで、17人が受賞し、3分の1の期間内に目標の過半数を達成した。日本は米国に次ぎ、ノーベル賞の受賞者で世界2位の国になっている。
役に立つかは気にするな
なぜかを理解できればいい
今年のノーベル生理学・医学賞受賞者の大隅良典氏はさまざまな場で、若い研究者は「役に立つか」ばかりを聞くのではなく、探索と開拓の精神を持つべきだと何度も発言している。大自然と周囲の世界に対する好奇心の維持、これはノーベル賞受賞者が科学研究の世界に足を踏み入れた当初の理由だ。このような好奇心を維持し、発展させようとするならば、日本の教育に目を向けなければならない。
日本滞在経験を持つ浙江大学医学院の劉偉教授は「日本の基礎教育は豊富で多彩な課外活動を非常に重視している。多くの学校はクラブ活動に教員をつけており、一部の生徒活動(甲子園や児童・生徒発明コンクールなど)は全国民が関心を寄せるビッグイベントになっている」と述べた。
先生は聖職
高所得、尊厳、自由
劉氏は記者に対して「日本で先生と呼ばれるのは、社会的地位が最も高い職業、教員、医師、国会議員、弁護士などだ」と話した。
先生は高所得で、生計を立てるため必死になる必要がなく、創造に専念できる。より重要なのは、彼らが学術に尊厳を持っていることだ。
日本トップの研究型大学は常に、世界の最先端に目を向けており、自校の教育と緊密に結びつけている。日本の大学教授は、科学研究で高い自由度を与えられている。
日本の大学教員は、一定期間内に研究成果を出せなかったとしても、冷遇されたり食い扶持を失う心配がない。研究中に政府・社会からの審査や評価といった妨げを受けることも少なく、長期的に研究に集中できる。
厳しい経済情勢
研究費は依然として潤沢
北京大学科学・社会研究センターの周程教授は、院生を率いて次のような研究・調査を実施した。
日本政府は1960-70年代に有名な「所得倍増計画」を打ち出し、約10%の年平均成長率で高度成長を維持した。日本はさらにこの目標と呼応する「科学技術振興の総合的基本方策」を制定し、GDPの2%を科学研究に充てるとした。
日本の研究開発費は1975年に2兆6200億円にのぼり、GDPの2.11%を占め、仏英の総額を上回り、科学技術大国の仲間入りをした。
1980-90年代にバブル崩壊し、経済情勢が深刻化しても日本政府は科学研究への投資を惜しんでいない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月15日