シンガポールの華字紙『聯合早報』ウェブ版が10月9日に伝えたところによると、日本政府は7日、初の「過労死等防止対策白書」を閣議決定し、各データや死亡例を挙げて企業に待遇改善を促した。また、労働基準法を遵守しない企業を調査する特別調査委員会も創設された。
白書によると、2015年に過労死で労災認定された人は96人。仕事のストレスによる自殺も過労死の一種であり、過労自殺を含むと関連の事例は200件に上る。
時間外労働については、調査を受けた企業の22.7%が勤務時間の規定を守っておらず、平均残業時間は法が定める週80時間を上回った。最も過労死になりやすい業種は情報通信産業と商品技術開発産業。
日本の『朝日新聞』は8日、国内最大手の広告代理店・電通は過労死のブラック企業だと伝えた。1991年、死亡した同社社員の遺族が「過労死」として訴訟を起こしたことがある。2015年にも同社の24歳女性社員が死亡している。
死亡した高橋まつりさんは15年4月に入社し、3カ月の研修を受けてインターネット広告部門に配属された。12月、彼女はSNSにメッセージを残して自殺した。
報道によると、労働基準監督署は「厳しい環境と過度の長時間労働による自殺」と労災認定。
高橋さんの母親は「白書」発表日に記者会見し、「娘がいた部署の人数は14人から6人に減ったが、担当する顧客は以前より増えた。毎月100時間以上の時間外労働をしていた。さらに恐ろしいことに、就業後に同僚との付き合いもあり、深夜に会議で会社に呼ばれることもあった」と話した。
高橋さんはSNSに「もう耐えられない」「本気で死んでしまいたい」などと書き込んでいた。
15年のクリスマスの朝、母親は娘から「今まで育ててくれてありがとう」と書かれたメールを受け取った。これが彼女の遺言だとは思いもよらなかった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月10日