■軍事力の「海外進出」
「拠点拡張か多機能化か、いずれにしろ、日本の最終目的は海外での軍事基地の存在感を強めることにある。自衛隊を海外に派遣し、地域と世界の活動に一段と関与することにある」と、中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂耀東主任が語った。
ジブチはバブ・エル・マンデブ海峡とアデン湾の間に位置し、インド洋と地中海を繋ぐ海上交通の要衝だ。背後はアフリカ、正面は中東に接し、その重要な戦略的地位は明らかだ。
呂耀東氏は「日本にとって、拠点拡張は海上交通を円滑にするとともに、アフリカ・中東の安全保障問題への介入に布石を打つことになる」と指摘する。
■日米同盟のグローバル化
外交学院国際関係研究所の周永生教授は、今回の拠点拡張について、「量的増加、面積の拡大に過ぎず、駐留部隊の性質に実質的な変化は無い」と指摘。「しかし本質的には、日本は既にジブチを戦略拠点として検討している」と述べた。
周永生氏は、「ある程度、日本は米国の国際戦略に合わせ、インド洋・アジア太平洋地域の鍵となる航路で積極的に大きな役割を果たそうとしている。」と指摘。ジブチは戦略的な要衝にあり、東アフリカ沿岸にも影響が及ぶ。このため、日本の軍事拠点拡大は米国のアジア太平洋政策とリンクするだけでなく、米国のマラッカ海峡支配とも呼応するものだとしている。
呂耀東氏は、「安倍首相が掲げる『地球儀を俯瞰する外交』という観点から見ると、日本の拠点拡張は、自衛隊の任務が日本国内に限らず、海外にも向かうことを意味する。日米同盟のグローバル化が地域の安全保障に一定の不確実性をもたらすのは確実で、我々はこれを警戒する必要がある」としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年10月19日