日本の与党・自民党の総裁任期が、現行の2期6年から3期9年に延長されることが、26日に決まった。
安倍晋三首相は2012年に就任後、自民党を率いて選挙で勝利を重ね、自民党一強という政局を形成した。党内での安倍首相の発言権も大きく強化された。これらを背景とし、安倍首相は2年後に政権を明け渡すのが惜しくなっている。
自公による連立与党は今年7月、重要な参院選で勝利を収めた。安倍首相はその後、党則改正による総裁任期延長の検討を開始した。安倍首相の意向を受け、自民党の「党・政治制度改革実行本部」が9月に初の会合を開き、本件について検討した。そしてわずか1ヶ月後、任期延長を慌ただしく了承した。
改憲に着手
安倍首相が任期延長を目指したのは、日増しに膨れ上がる個人的な権力の欲望を満たすためであり、また「改憲の夢」を自らの手で実現するためと分析されている。
日本の改憲勢力は今年7月の参院選後、戦後初めて国会で圧倒的多数の議席を占め、改憲の発議を可能にした。しかし野党の反発が根強く、改憲問題は現在、国会での正式な議論の段階に入っていない。また日本国民の多数も、改憲に反対している。
日本メディアは、安倍首相が2018年9月に退任するならば、改憲のため残された時間はわずかだと指摘した。任期を延長すれば、自ら改憲を実現する十分な時間ができる。
不安要素も
しかし安倍首相の都合のいい計算が現実化するかは不明だ。総裁の任期延長について、自民党内は穏やかに見えるが、不満を持っている人も少なくない。安倍首相の圧力により、表面化できないだけだ。
日本の一部の政治専門家も警鐘を鳴らした。一橋大学の中北浩爾教授は、安倍首相が9年も就任すれば、その権力集中による弊害が懸念されると指摘した。
朝日新聞によると、最高裁判事15人中9人が、安倍政権によって任命されている。安倍首相が2019年まで続投すれば、判事全員が安倍政権から派遣されることになる。これは間違いなく、日本の政治バランスに影響を及ぼす。
安倍首相が政権を維持できているのは、野党が弱いためだけではなく、詐欺じみた手法を使っているからだ。安倍首相は2012年の就任後、「改革」の概念を繰り返し、国民に美しいビジョンを描いてみせた。ところが実際には「地方創生」も「女性活躍」も、ただの空虚なスローガンにとどまっており、日本社会の長期的な構造問題を解決できない。
観測筋は、安倍政権が山積する難題に直面しており、経済情勢や改憲などの問題にも不安要素が多いとしている。時間の経過に伴い、安倍政権の本質を見破る日本国民が増える。そのため日本の政治が今後、安倍首相の願いどおりになるとは限らない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年10月27日