日本の建設会社マネージャーと中国人労働者への取材を通じて明らかとなったのは、外国人労働者が直面する主な試練は日本文化に溶け込むことだ。日本は単一言語、単一文化で、日本社会も外国の異文化を受け入れようとしないため、溶け込むことは非常に複雑な作業となる。 ところが日本人は、外国人が日本文化に溶け込むことを望んでいるようで、外国人労働者の行動が「日本式」と合わなかったりすると、すぐに注意する。外国人労働者が多くの面で日本人のスタンダードを求められているのは隠れた事実であり、日本人は多様な文化への理解と尊重が欠けている。例えば、中国人労働者は言語・文化・習慣が日本人と異なるため、彼らが日本社会に完全に溶け込むのは無理だろう。
さらに言うと、日本人は外国人労働者への信頼感が欠如している。建設請負会社が、建設現場の一部職種に外国人労働者を使わないと契約書に明記するのは、日本人マネージャーが外国人労働者の施工能力を日本人より劣るとみなしているからだろう。
不幸なのは、こうした外国人労働者に対する偏見が仕事の環境に悪影響を及ぼしていることだ。日本人労働者の多くは、外国人労働者が最終的に自分のライバルになることを恐れている。例を挙げると、日本人の職人は熟練技能を有する外国人労働者に相応しい仕事をさせない。こうした競争を恐れる気持ちが、外国人労働者に対する低レベルで低技能な仕事の要求へとつながった。中国人労働者は取材に対し、この状況に対する残念な思いを打ち明け、彼らが6カ月もすれば仕事への興味を失ってしまうといい、多くのことを学びたいと切実に望んでいるにもかかわらず、そのチャンスが無いと説明した。
外国人労働者の問題は現在、日本が直面する最も厳しい問題の一つ。政策決定者は、出生率の低下と労働力不足による社会問題の解決を図っている。古くからの社会風習と価値観を変えるのは非常に難しいが、今こそ外国人労働者をめぐる問題への考え方を日本企業と社会が改める時だ。法整備や制度制定を通じて文化の多様性に対応し、外国人労働者が長期にわたり日本に貢献できる環境を作らなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月27日