日本の安倍晋三首相が今月26−27日にかけて、米ハワイを訪問する。安倍首相は「犠牲者の慰霊のための訪問です。二度と、戦争の惨禍を繰り返してはならない。その未来に向けた決意を示したいと思います」と表明した。厦門大学国際関係学院研究員の金向東氏は、ロシア・スプートニクのインタビューに応じた際に、「安倍首相の訪問により、真珠湾が再び米日の駆け引きの場になるが、米日同盟は中国けん制という共通する目標によりさらに強化される」と述べた。金氏は次のように指摘した。
真珠湾が駆け引きの場に
真珠湾は75年後、再び米日の駆け引きの場になった。駆け引きの焦点は、日本が中国けん制の任務の負担を増やすなか、米国が日本により大きな自主権を与えるか否かだ。トランプ氏の就任後、米国のアジア太平洋政策がオバマバージョンからトランプバージョンになる。新しいアジア太平洋政策は、日本への重視を強める。これは日本にとって圧力だが、一つのチャンスだ。
日米間の責任負担と自主権を求める駆け引きが、今後より多く展開されることになる。しかし米日同盟は中国けん制という共通する需要により、さらに強化される。
謝罪問題で黙契
米国側は日本が謝罪することで、今後の米日関係で道徳的に有利になろうとしている。その一方で日本が謝罪すれば、アジア諸国に弱みを握らせることになり、日本の手先としての力に影響が及ぶことを懸念している。何はさておき、米国が歴史問題で日本に圧力を加えることはないが、経費問題ではさらに厳しい要求を突きつけるだろう。
安倍氏、米国と右翼の間でバランスを模索
日本がいわゆる正常な国になりたければ、米国が首を縦に振る必要がある。日本はこの行動で、米国の心を動かそうとしている。しかし軍国主義の罪を完全に認めれば、日本国内の極右勢力の不興を買うことになる。そのため安倍首相は実際には、米国と右翼勢力の間でバランスを模索している。同時に米国に対して、中国けん制の任務の負担拡大を口実にさらなる自主権を求め、いわゆる正常な国になるという宿願を叶えようとしている。
プーチン大統領の訪日状況を報告
安倍首相の今回の訪米には、もう一つの重要な任務がある。米国にプーチン大統領の訪問状況を報告するのだ。この時期に真珠湾を訪問するのは、高圧的になり、かつ控えめな姿勢を作るためだ。
高圧的についてだが、日本には米国の利益を損ねる力があり、米国は日本の力と利益を重視する必要があるということだ。控えめな姿勢は、真珠湾を訪問し平和への願いを示し、オバマ大統領の広島訪問に返礼するということだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年12月9日