日本のアパホテルが客室内に、日本の侵略の罪を否定した書籍を置いていた件が明らかになると、中韓などの人々から批判を浴びた。同ホテルを経営する元谷外志雄氏の、右翼の後援者としての姿も暴露された。
日本の経済界には、右翼文人・団体・政治家を公然とあるいは暗に支援し、自らの「理想」を実現しようとする大きな勢力がある。右翼勢力は後援者の支持により、右翼の「抱負」を実行に移し、さらに後援者に見返りを与える。
元谷氏は経営者だが、各種右翼活動で活躍している。安倍晋三首相の後援会「安晋会」の副会長で、右翼政治家に巨額の資金援助を行っている。2008年より侵略の歴史を美化する作文コンクールに出資している。2011年には「勝兵塾」を作り、右翼文人・政治家を集め、右翼の歴史観を宣伝する陣地にしている。
元谷氏のような右翼経営者は、日本で珍しくもない。例えばJR東海名誉会長の葛西敬之氏は「台湾独立」勢力を長期的に支援しており、安倍首相や李登輝氏とも関係が深い。高須クリニック院長の高須克弥氏は長期的に「チベット独立」勢力を支援している。株式会社世界出版会長の茂木弘道氏は右翼団体「呉竹会」幹事、右翼団体「史実を世界に発信する会」事務局長を務めている。
日本最大の右翼団体「日本会議」には、経済界の数多くの大物が名を連ねている。初代会長はワコール会長の塚本幸一氏、第2代は石川島播磨重工業(現在のIHI)会長の稲葉興作氏。ブリヂストンサイクル前会長の石井公一郎氏は、「日本会議」の副会長、顧問。同団体の代表者には他にも、日華化学株式会社会長の宇都宮鐵彦氏、三菱東京UFJ銀行顧問の城内康光氏、株式会社広建会長の渋木正幸氏などが含まれる。
日本の政治と経済界の結託の歴史は長い。財閥は日本による侵略戦争の有力な支持者、直接的な参加者、最大の受益者だった。戦後、三井、三菱、住友、安田などの大財閥は米軍に解体されたが、冷戦勃発と米国の放任により次々と復活した。
アパホテルの愚行が発覚すると、右翼勢力はなぜこれほど血相を変えているのだろうか。それは「財布」に関わる問題だからだ。侵略の歴史を否定・美化という事実が明るみに出ると、中韓の人々からボイコットされた。ホテルの収入に直接的な影響が及ぶばかりか、影響はさらに拡大し、日本の観光立国計画にも及ぶ可能性がある。同計画は安倍政権の経済成長実現の重要な支柱であり、元谷氏も書籍の中で観光大国を作ると提案している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年1月30日