日本人作家の村上春樹氏の新作「騎士団長殺し」が、先月24日に発売開始された。本書は南京大虐殺の発生をはっきり認めており、物議を醸した。侵華日軍南京大屠殺遭難同胞紀念館(南京大虐殺紀念館)は微博(中国版ツイッター)の公式アカウントで、歴史を直視する態度に支持を表明した。
本書は「私」の視点から、この歴史的事件について語っている。「そうです。いわゆる南京虐殺事件です…正確に何人が殺害されたか、細部については歴史学者のあいだにも異論がありますが、とにかくおびただしい数の市民が戦闘の巻き添えになって殺されたことは、打ち消しがたい事実です。中国人死者の数を四十万人というものもいれば、十万人というものもいます。しかし四十万人と十万人の違いはいったいどこにあるのでしょう?」
日本で影響力のある作家である村上氏は、新作でこのように描写したことで、物議を醸した。極端な日本のネットユーザーは、このように書いたのは「中国人からノーベル賞受賞の支持を得たかったため」と皮肉っている。本書はまだ中国で発売されていないが、村上氏の歴史を直視する行為は広く支持されている。侵華日軍南京大屠殺遭難同胞紀念館は微博の公式アカウントで「村上氏の言うとおり、10万人と40万人にどんな差があるというのか。東京裁判では虐殺の総数が20万人以上とされており、かつこれには身元不明の遺体は含まれていない。南京裁判では被害者の総数が30万人以上とされた。80年が過ぎたが、日本は軍国主義思想の徹底的な処理と反省をまだ終えていない」とした。
村上氏が歴史問題で自分の観点を発表するのは、これが初めてではない。村上氏は歴史を直視する勇気がなく、第二次大戦中に犯した侵略の罪に対する責任を尽くしていないと、何度も日本を批判してきた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年3月3日