日本の右翼教育者が低価格で国有地を取得し、神道小学校を開校しようとした問題が、物議を醸している。世論の圧力を受け、日本の安倍晋三首相の夫人が名誉校長の職を辞し、安倍首相本人も野党からの批判にさらされている。自民党内からも、火に油を注ぐ人物が現れている。
報道によると、日本の「政治とカネ」に関するスキャンダルの多くは、企業からの収賄と関連している。しかし安倍首相の今回の金銭をめぐるスキャンダルは、右翼と関係している。本件はその政治生涯に影響を及ぼすとみられる。
森友学園が大阪に建設する小学校は、来月始業式を迎える。生徒に神道を伝えることが、その教育の主旨になっている。日本メディアによると、森友学園の裏には巨大な右翼勢力があり、安倍首相と同校の創立者の間には、浅からぬ関係があるという。同校の公式サイトは以前、昭恵夫人を名誉校長とし、新設する小学校を「安倍晋三記念小学校」と命名する意向を示していた。
安倍首相とのコネにより、日本当局は国有地を安値で譲渡したとされている。この小学校は9億円の価値がある土地を、1億円余りで取得したのだ。
日本メディアは自民党の政治資金収支報告書を調査し、「自民党兵庫県参院選第二支部」が2014年1月3日と翌年1月5日に、森友学園からそれぞれ10万円の献金を受け取っていたことが分かった。同支部は自民党の大物、鴻池祥肇・元防災担当相が代表を務めている。
鴻池氏はメディアから本件について質問されると、隠し立てするどころか自ら「森友学園の籠池泰典理事長から、2014年1月に封筒を受け取った」と暴露した。
鴻池氏は、籠池氏が議員会館まで会いに来て、何か渡してきて、よろしくお願いすると声をかけられたと振り返った。中に何が入っているか確認しなかったが、金だと直感したという。
鴻池氏が自ら暴露したのは、安倍首相をけん制するためかもしれない。森友学園の賄賂が、安倍政権が土地を安値で譲渡したことと関係があるかと追及された際に、「そうかもしれない」と答えたからだ。本件は自民党の関係者によって、内輪もめに利用されているという説もある。
「窓際族」になったとみなされている石破茂・地方創生担当相は、安倍首相に真っ向から対立する姿勢で「国有地は日本国民の財産であり、不当な手段により土地を取得したならば、原因を究明する必要がある。本件は野党が追及するのではなく、政府内と党内で徹底的に調べるべきだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年3月3日