「数ヶ月もすると、人は何のことやったか忘れるけど、名前だけ残る。だからその間のマイナスは、その後の知名度を高めたことでカバーできるのかな」アパホテルの元谷外志雄CEOの、この発言をまだ覚えているだろうか?環球時報の記者は1月中旬、アパホテルの右翼の背景を明らかにした。元谷氏はその後、物議を醸した右翼書籍の撤去に絶対に応じないと述べ、さらには本件によりホテルの売上が伸びると図々しく大口を叩いた。事が発覚してから2ヶ月後、アパホテルの営業状況はどうなっているのだろうか。元谷氏が話すように、客は増えたのだろうか。
環球時報の記者は6日、アパホテル公式サイトの連絡先から、この2ヶ月間の宿泊状況を問い合わせた。アパグループ東京本社の担当部署は7日、「アパホテルの1、2月の売上と生産性は、過去最高を記録した」と記者に署名で回答した。中国人客の宿泊状況については「国別の宿泊客の人数については回答できない」とした。またアパホテル側は、中国人客を引き止める特別な措置を講じておらず、今後も書籍を撤去することはないとした。
「過去最高」は本当だろうか。アパグループ本社のほかに、北から順に北海道、青森、宮城、東京、千葉、神奈川、大阪、京都、奈良、福岡、沖縄などのアパホテル20軒に電話取材を行ったが、順調に進まなかった。アパホテルの職員は記者の身分を聞くと、警戒を強めた。20軒のうち、質問に答えたのは7軒のみ。答えなかった13軒のうち9軒は、本社に連絡するよう求めた。4社は「データが存在しない」「企業秘密」「忙しい」「責任者不在」を理由に、電話取材を断った。
順調には進まなかったが、取材で一部の情報を知ることができた。アパホテルの右翼の背景が明るみに出ると、中国人の宿泊客が確かに減少した。中国のツアー客からの予約がなくなったほか、フリープランの観光客の数も「数えるほど」だという。アパホテルの職員は記者に対して、今や時たま中国人の宿泊客を1−2人目にするだけだと話した。宮城県のアパホテルの職員は、中国人客が宿泊客全体に占める割合は1%未満と見積もった。
北京天平国際旅行社東三環分社総経理の李丹氏は7日、環球時報の取材に応じた際に「訪日中国人客のうち現在、3割がツアーを選択し、残りの7割がフリープランを選択している。右翼の背景が明るみに出ると、中国の旅行会社はアパホテルとの事業提携を解消した。フリープランの観光客も、同ホテルの悪行を知った後、自らキャンセルしている。アパは割安で客を集めようとしているが、同じ価格帯、さらにはコスパがもっと高いホテルはいくらでもある。東横イン、スマイルホテルなど、多くの選択肢がある」と話した。
北京のOL、張さん(37)は3月末に、桜を観賞するため訪日する。「この季節になると、日本のホテルは予約が取りにくいと聞いている。3ヶ月前に東京都内のアパホテルに予約を入れた。だが元谷氏の動画を見たら、へらへらした態度と気炎を吐く顔つきで、怒り心頭に発した。すぐに予約をキャンセルし、今後も絶対に検討しない。こんな人間に我々中国人が額に汗して稼いだ金を与えるわけにはいかない」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年3月12日