2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、日本は英語が得意な職員を確保しようと努力している。BBC(中国語版)が30日に伝えた。
日本人の英語学習はなぜこれほど困難であり、会話能力がこれほど低いのだろうか。伝統文化の壁があるのだろうか。この不足を補わずして、世界に前向きな印象を与えようとする政府の目標を達成できるのだろうか。
五輪招致成功より、日本政府は英語の不足を補おうと努力を続けている。
日本では現在、小学生が8−9歳で英語学習を始める。その後7年間は、必修科目となる。日本は大学生や英語教員を海外語学留学に派遣しており、多くの大学で五輪のボランティアになる人向けに英語教室が開かれている。
さらに東京に「英語村」を作るという提案がある。住民はみな英語を話し、学生は英語の環境に浸れるというわけだ。
しかし世界の英語習得度ランキングで、日本は驚くほど順位が低い。
TOEICの48カ国中、日本の順位は40位。EFは昨年、英語熟練度で日本の評価を「中級」から「初級」に引き下げた。
それではなぜ日本人の英語学習はこれほど困難なのだろうか。弘前大学の教育専門家はその主因について「上手に英語を使える教員の不足」を挙げた。
京都教育委員会は以前、中学校の英語教師にTOEICを受験させた。その結果、日常的なコミュニケーションや仕事に使える能力に達している教員は、4分の1未満だった。
さらに学校の英語教育方法に問題がある。日本の学校は通常、文法、語彙、作文を重視し、テストを頻繁に行う。その結果、教室で学生が英語を話す時間が少なくなっている。
EFの代表取締役社長、中村淳之介氏は「日本の学校では通常、日本人が日本語で英語を教えている。英語は英語で教えなければならない。政府の取り組みは実際には、根本的に何の変化も起こしていない」と指摘した。
日本の五輪招致に参与した関係者は「日本では英語で会話する機会が少ない。その結果、多くの日本人の作文・リーディング能力が、会話能力を上回っている」と話す。
一部の教員は現在、より想像力あふれる手段により、学生の英会話を促している。例えばコメディを見る宿題を出すなどだ。
もう一つの壁は、日本の教育に含まれる完璧主義で、何事にも「正しい」方法があると考える。学生は間違いを恐れ、自分が正しいと確信できなければ挑戦しようとしない。
日本語や数学を学ぶならば、これも悪くないだろう。世界教育ランキング、例えば経済協力開発機構のPISAで、日本は常に上位につけている。しかし外国語をこのように学べば、効果は薄い。そのため会話し、間違うことが極めて重要だ。このような教育方法は、日本人の英語学習に一生の影響を及ぼすだろう。
日本の大学教授は「私たち日本人は、英語を話すのに強いプレッシャーがある。正しく話せないならば話さないという呪縛から逃れられない」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年4月2日