シェア自転車の日本における普及の見通しを占う

シェア自転車の日本における普及の見通しを占う。 中国のシェア自転車・モバイク(摩拜単車)が、福岡に日本法人を設立し、このほど正式に日本に上陸した…

タグ: 自転車 シェア 駐輪場 

発信時間: 2017-08-02 16:44:23 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

数々の制約がシェア自転車の発展の足かせに

日本でも早くからシェア自転車プロジェクトが展開されているものの、発展や普及、規模には限界がみられる。日本で最も成熟しているプロジェクト・ベイバイクでも、2008年に構想が立ち上がり、10年に小規模で試験的に実施されたが、現在に至っても日本の一部の地域で数千台の自転車を投じているに過ぎず、東京を例にとっても、200ポートで2500台の自転車が投じられているに過ぎない。日本でシェア自転車がなかなか普及しないのは、公共のスペースの管理制度が厳しいことや特殊な国土状況、日本人がプライバシーを特に気にしている点などと密接な関係がある。

まず、中国などの自転車大国と比べると、日本の国土は細長く、人口密度も高いため、多くの道や歩道は狭く、自転車専用レーンが設置されているところはほとんどない。自転車専用の交通施設という点で、日本は他の国に後れを取っている。また、日本には、世界で最も厳格とも言える、自転車管理法規がある。そのため、日本でシェア自転車を運営するためには、まず、関連当局の申請を経て、固定のサイクルポートに関する問題を解決しなければならない。東京や大阪、横浜など、地価が非常に高い大都市では、中国のように、街中の一部に白線を引いて駐輪場にし、大量のシェア自転車を置いておくということはほぼ不可能だ。日本でシェア自転車を展開している企業は、駐輪場を増やすのが難しいというのがネックになり、利用者は必要な時に自転車を見つけることができない、目的地に着いたのに返却場所がないという状況に陥ってしまう。

また日本には自転車専用レーンがないというのも弊害となっている。歩道も道路も狭いため、自転車と歩行者が楽々と通行できるスペースはないのに加えて、交通ルールを守らない自転車利用者が増えているため、日本では近年、自転車が歩行者に接触する事故が急増している。また、日本では、まずサービスを展開して、問題が見つかるとそれを解決するという方法を取ることはできない。企業は通常、初めから入念な計画を策定しなければならない。なかでも、事故が起きた時に、どのように賠償問題を処理するかというのは最も重要なポイントとなる。もし、違反行為や賠償問題が多発した場合、日本では事故の賠償金は非常に高額であるため、運営企業にとっては資金問題を抱えることになる。

さらに、日本の都市の地下鉄、電車、公共バス、タクシーなどの公共交通機関は非常に便利で、公共自転車が発展できる余地がほとんど残されていない。特に、東京や大阪など人口が密集している大都市では、公共バスが非常に便利で、「駅から会社」、「駅から家」などの「残りの1キロ」という問題はほとんどない。その他の都市は交通機関が大都市ほど発達していないものの、シェア自転車のプロジェクトを支えるだけの人口がない。そして、日本は自転車大国でもある。日本自転車産業振興協会の統計によると、日本の自転車保有台数は現在、8665万台に達しており、中国、米国に継ぐ、世界3位の自転車大国だ。一人当たりの保有台数を見ても、平均約0.7台で、中国の0.5台を上回って、世界6位につけている。ほとんどの人が自分の自転車を持っているというのであれば、シェア自転車など必要とするだろうか?

その他、日本人はプライバシーの保護を特に重視する。シェアリングエコノミーに興味はあるものの、個人情報が効果的に保護されるのかを強く懸念している。特に、スマホを使ったモバイル決済に対しては慎重な姿勢を示し、日本では、中国のような巨大なモバイル決済市場を形成するのは至難の業だ。そのため、「シェアリング」と「モバイル決済」をセールスポイントとするシェア自転車に、日本人は興味は示しても、受け入れには慎重な態度を示す。

環境保護への関心が高まっている今の時代、自転車は環境にやさしく、便利であり、シェアリングエコノミーが急速に発展するにつれ、シェア自転車という理念が誕生し、そして急成長を見せ、確実に成果を収めている。しかし、シェア自転車の登場により、人々の生活が便利になったと同時に、多くの課題も出てきている。そのため、どの国、どの都市でもそれが成功できるかには、確かに疑問が残る。制限の多い日本の市場で、中国のシェア自転車が成功を収めることができるかは、日本市場を正しく調査し、実際の状況に適応できるかにかかっている。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年8月2日

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