日本の内閣改造、「安倍一強」時代が終了

日本の内閣改造、「安倍一強」時代が終了。

タグ:内閣改造 安倍

発信時間:2017-08-07 10:10:46 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

数多くの圧力に直面した日本の安倍晋三首相は3日、大掛かりな内閣改造に取り組んだ。安倍首相はこれにより支持率を効果的に高め、政治生涯を延長しようとしている。しかし何はともあれ、明らかな事実が浮かび上がっている。2012年末の第2次安倍内閣発足以降に形成された、自民党内の「安倍一強」の構造がこれにて終了した。

景気低迷により、日本の指導層はかつてない焦りを覚えている。現状打破の期待は、政権を運営する自民党とその総裁である安倍首相に向けられた。これは安倍政権の長期運営の主な基礎になった。この影響を受け、過去5年間に渡り日本で「自民一強、党内安倍一強」という集権化が見られた。

この状況を受け、安倍首相も思わず増長した。これまでの内閣改造で、腹心を閣僚として迎え続けた。ところがここでは、日本の政治の特徴、すなわち「派閥政治」を理解する必要がある。これは日本式の議会制民主主義が、西側の民主国家と最も異なっている点だ。安倍首相が願いどおり2021年まで続投すれば、党内の別の派閥にとって喜ばしいことではない。安倍首相が「異常」にも3期9年となれば、党内の人事に影響を及ぼし、さらには一部の人物の「首相の夢」が潰えることになる。また2020年は東京五輪が開催されるが、安倍首相は2021年までの改憲を目指している。これほど多くの「果実」を独り占めにすれば、他人が嫉妬するにきまっている。「安倍一強」の構造により、安倍首相と自民党内の各勢力の関係が緊張化している。石破茂氏のような非主流の代表者はさておき、閣僚内にも岸田文雄氏、麻生太郎氏らが公然と「ポスト安倍」の議論を展開している。より深いレベルの勢力が裏で働きかけているのではと疑わざるをえない。そのため外部の懸案がない安倍政権が苦境に陥ったことは、完全に自業自得である。

このような背景があり、安倍首相は気を抜けない。大々的な内閣改造について、今回は次の点に注目できる。

まずは、自民党の「一強」が日本政治の前提であることだ。東京都議選で自民党が惨敗したが、日本国内の政治における支配的地位が、根本的に覆されるような流れは見えない。最大野党の民進党は与党惨敗のチャンスを十分に活かせなかったばかりか、議席数をさらに減らした。これは党内の主要指導者である蓮舫氏と野田佳彦氏を辞職に追い込んだ。また東京都の小池百合子都知事が率いる「都民ファーストの会」は、今回の都議選で異彩を放ち将来の可能性は無限大とされているが、地方選で輝きを放った政治家が全国レベルに立った場合、その「魔力」を維持できるかは疑問だ。

次に、安倍首相は党内に向け低い姿勢を示し、自ら「一強」の地位を放棄した。安倍首相は今回の内閣改造で、「股肱の臣」である菅義偉内閣官房長官と麻生太郎副首相を留任させたが、その他の閣僚はすべての派閥から起用した。安倍首相は4日のインタビューで、「国民に深くお詫びする」「今後は国民生活の問題を重視する」と表明した。これは一時的な権力移譲により姿勢を低くし、攻撃を避けることを意味している。

それから、日本の与党内には、各派閥による駆け引きが展開される可能性がある。上述したように、安倍首相は今回の内閣改造で、党内各派閥の願いに出来る限り耳を傾けた。元外相で党内第2派閥のリーダーである岸田文雄氏は、「党四役」の政調会長に就任した。河野太郎氏、野田聖子氏など安倍首相と異なる見解を持つ人物、さらには批判者も入閣した。国家安全面で、安倍首相は忠実だが無能な稲田朋美防衛相を見限り、経験豊富な小野寺五典氏にバトンタッチさせた。この人事は安倍首相をかつてないほど強くけん制し、日本の政界で不穏な動きを生じさせる。

最後に、自民党は全体的に見て、バラバラに見えても方針は一つだ。内閣改造後の安倍政権は今後揺らぎ、いがみ合うといった可能性があるが、自民党内で生じる駆け引きは主に権力争いであり、方針の問題ではない。現在の日本社会では全体的に、保守化と右傾化が大きな流れになっている。米国追従・中国けん制、憲法改正、中国との全面的な競争が、日増しに保守派陣営の共通認識になっている。紆余曲折を経ても、自民党を始めとする日本政治の主流は依然として、「政治大国」「正常な国」という道の上を着実に歩み続ける。これは安倍新内閣にいわゆる「知中派」がおり、中日関係が短期間内に改善されても、「冷たい平和」の状態であり、根本的な好転が生じないことを意味している。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月7日

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