日本のメディアによると、東京で活躍する落語家、入船亭游京氏(29歳)は鉄道列車で3ヶ月間中国を周遊した。現在、彼は寄席の高座で中国旅行での見聞を語っている。
『朝日新聞』デジタル、7月30日の報道によると、今年2月中旬、入船亭游京氏と中国南京市居住のもと会社員、許飛氏(34歳)が連れ立って、新疆ウイグル自治区の阿拉山の麓から出発した。
途中、内蒙古自治区、東北各省、山東省などを経て、北京に入った。続いて2人は中部、沿海地区、南部を通り抜け、5月上旬に旅の終点チベット自治区に到達した。
報道によると、この旅行を始める契機となったのは、許飛氏であった。以前、中国の某情報通信技術の会社の日本法人に勤めていた許飛氏は、去年鉄道による80日間の日本縦貫の旅をした。
自分の目に映った日本・日本人との出会いをウィーチャット(微信)によって広めた。また、許飛氏は「日本人は今の中国をあまり理解していない」と感じていた。そこで次の機会には日本人と一緒に中国を周遊してみようと思っていた。つまり、中国を外の世界の人に見せることであった。許飛氏は会社の日本人の幹部にこのことを相談した。この日本人は彼の構想に同意して、京都大学の自分の後輩を紹介した。つまり、落語家の入船亭游京であった。
游京氏はいつもニュース等で中国の反日感情について見聞きしていたので、最初は中国行きにはあまり積極的ではなかった。その上、長時間高座を離れることをも心配した。しかし、彼は心の中でやはり「人と変わったことをしてやろう」という強い念願があった。そこで、この計画に加わったわけだ。
この旅行が終わった後、游京氏は中国に対する見方ついて、「見方が変わった」と述べた。スマートフォンを使いこなし、キャッシュレス生活の広範な普及などの現象に対して、游京氏は、「中国は驚くべきスピードで進歩している」との印象をもった。
この他にも、彼を驚かせたことがある、それは「反日の人に会ったことはない」ということである。その上、多くの中国人と接触した後に、中国の人々の気持ちについて、「日本人より開放的だ」と感じた。
報道によれば、旅行中、游京氏は青島、広州、昆明など五カ所で落語を上演した。その中で三ヶ所の聴衆は日本人で、日本人学校や日本人会から来た人々であった。その他二ヶ所は青島の中国海洋大学と昆明の雲南師範大学で行われ、聴衆は日本語を学ぶ中国の学生たちであった。
日本語が分からなければ、落語の面白さも分からない。海洋大学の聴衆は大学二年生であったため、游京氏は学生たちが自分の話を聞き取れるか、さらに落語の意味を理解してくれるか非常に心配した。しかし、学生たちは游京氏の話にすぐに反応したのみならず、幾度となく彼のギャグに対して大笑いをして反応した。
游京氏は学生たちの言語能力に驚嘆して、「今に至るまで、日本国内での落語上演でもこれほどの反応はなかった」と述べた。セリフのない動作あるいは表情の演技であっても、笑い声が絶えることがなかった。学生の反応に游京氏は、「あるいは日本人より、さらによく落語を理解しているかもしれない」と感慨を深くした。落語が中国でこのような強烈な賛同を得ることができたことは、游京氏にとって、今度の旅行の思いもしなかった驚きであり発見であった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月8日