今後1カ月内に実質的な成果を示せなければ、内閣を改造しても安倍首相は国会で改憲発議を主導できない。「打倒安倍」の流れが再び勢いを取り戻すことになるだろう。
NHKの3日の報道によると、第三次安倍内閣の閣僚が公表された。6人が初入閣で、女性閣僚は2人。安倍晋三首相は3日午前の臨時閣議で、新内閣を「仕事人内閣」と呼んだ。
日本の政界で内閣改造は珍しいことではない。首相はこれにより新内閣のイメージを一新し、国民の注目を集めることができる。安倍首相が内閣改造を迫られた直接的な原因は、東京都議選の惨敗と加計学園問題に隠されている権力の干渉だ。これを受け安倍内閣の支持率が急激に低下した。
時事通信が7月中旬に発表した世論調査の結果によると、安倍内閣の支持率は29.9%に低下し、2012年の第二次安倍内閣発足以来で最低水準となった。河野太郎氏、野田聖子氏がかつて安倍政権の政策を批判していたことから、安倍首相はこの2人を入閣させることで内閣支持率を取り戻し、「友達内閣」の影を払拭しようとしている。
当然ながら、内閣改造で支持率を取り戻した先例があるが、改造後の内閣の支持率がさらに低下した逆の例もある。日本経済新聞の報道によると、2003年9月に時の小泉純一郎首相が内閣改造を行ったが、支持率は改造前の45%から65%と大幅に上昇した。2012年10月に時の野田佳彦首相が内閣改造を行った際には、支持率が33%から20%に急落した。
そのため安倍首相が今回の内閣改造でどのような成果を手にするかは、今後1カ月で直ちに成果を手にし、未来の政界の動向を決められるかにかかっている。
経済発展には通常、一定の周期が必要だが、外交は即効性が高い。そのため安倍首相は河野太郎新外相の特殊な身分を利用し、日本と中韓両国の関係の改善に力を入れ、内閣支持率を取り戻すかもしれない。
河野太郎氏は河野洋平氏の長男だ。河野洋平氏は1993年8月4日に内閣官房長官として有名な「河野談話」を発表し、戦時中に日本軍が慰安婦を強制徴用したことについて心からの反省と謝罪を表明した。この談話の姿勢により、河野洋平氏は中韓などの国民から敬意を勝ち取り、また日本の政界で数少ない中韓政府高官と直接対話できる政治家になった。
そのため安倍首相はこの重要なポストを河野太郎氏に預けることで、父の中韓両国における影響力と人脈を利用し、日本と中韓両国の関係の発展を促そうとしたのだろう。特に安倍首相は現在、東京での中日韓首脳会談、来年の中韓両国の正式訪問などの実現を切に願っている。
さらに日本の年内の政治日程によると、秋季臨時国会が9月末もしくは10月上旬に開かれる。安倍首相は臨時国会で、日本国憲法の改正に関する議論を正式に始めようとしている。
安倍首相は内閣改造や問題閣僚の交代などを通じ、加計学園問題、PKO日報隠蔽問題などをめぐる批判に一段落をつけたが、今後1カ月内に実質的な成果を示せなければ、内安倍首相は国会で改憲発議を主導できない。「打倒安倍」の流れが再び勢いを取り戻すことになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月9日