中国政府は今年、金融リスクや地方当局の大きな支出を抑える最大級の取り組みを断行している。国内の経済・金融環境に影響を及ぼしかねない政策にもかかわらず、世界の投資家は中国に対する大きな懸念を示していない。サンケイビズが9日、伝えた。
ファンドマネジャーやストラテジストらを対象とした最近の調査では、世界の株式・クレジット市場の好調を脅かす恐れのある中国発のリスクを懸念する声はほとんど聞かれなかった。
中国に対して常に弱気な見方をする市場関係者は別だが、今は11兆ドル規模の中国経済がハードランディングするとの予想はほぼなくなっている。
ハーベスト・グローバル・インベストメンツの香港在勤ファンドマネジャー兼アジア株式責任者は「過去6、7年を振り返ると、投資家は常に中国について心配していた」と述べた。同氏国際ポートフォリオの中国株ウエートを最近高めたことを明らかにした。
中国の資金を本土内にとどめておくことを狙った資本規制は、人民元相場の安定と元安進行観測の抑制に寄与し、対中懸念の解消に一定の役割を果たしている。ドルが最近値下がりしていることもあり、2016年末まで3年連続で下落していた人民元は今年に入り3.3%上昇している。
JPモルガン・チェースの関係者は「人民元の安定が見受けられる。実際に元は今年、ドルに対し上昇している。中国の外貨準備高も安定している」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月11日