人口構造から、日本社会の保守化・右傾化を見る

人口構造から、日本社会の保守化・右傾化を見る。そのため日本国内の中産階級の実際の生活状況と政治傾向は、右翼政党と保守勢力が政界でどのような地位を占めるかを左右する。中産階級と人口比率が低下する第一次産業の就業者は、政界の右翼・自民党の主な支持者になった。上述したように、日本という議会制の国において、産業構造は政治傾向の異なる政党の票田を決める。

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発信時間:2017-08-22 13:20:14 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 議会制の国において、政党と政治家は選挙権を持つ個人の投票によって選出される。そのため票田となる人口の構造は、選挙において研究対象となる。人口構造問題により、欧州では福利型社会が崩壊し、経済の活力が低下し、消費の需要が低迷し、難民と現地人の衝突が生じている。人口構造と政治環境の関係は、現代西欧社会に大きな影響をもたらしている。現在の日本社会の保守化・右傾化についても、人口構造から分析することができる。

 

 まず、年齢の人口構造を見ていこう。総務省の人口動態調査によると、日本の総人口はこの8年間で減少を続け、出生数が初めて100万人を割り込んだ。日本政府は子育て奨励策を早くから推進しており、日本全体の出生率がやや上昇しているが、依然として世代交代に追いついておらず、厳しい人口情勢となっている。統計局の今年上半期の統計データによると、日本人の年齢構造のうち、60歳以上が全体の33.76%、すなわち3分の1を占める4281万5000人に達している。日本の選挙法を見ると、選挙権を持つのは20歳からだ。20−59歳の人口は6223万人で、総人口の49.08%を占める。前述した60歳位以上の人口の全員が(もしくは代理人を通じて)投票する場合、誰に投票するだろうか。答えは明らかだ。これは日本の政界の保守勢力が支持を拡大し、日本社会の保守化が際立つ主因になっている。

 

 次に、階層の人口構造を見ていこう。日本で極右勢力が広範な支持を勝ち取れないのは、同じくサービス業主体の階層が、現在の「階層の人口構造」により極端な政策を推進する政党を支持しないからだ。この階層構造は、人口構造の変化により変化し、かつ政治面で極端な保護主義の回帰を引き起こすが、日本ではそれほど顕著ではない。これは外国人が日本の人口増に占める割合が低く、かつ外国人の多くが人種・文化的に近い中国人や韓国人が中心だからだ。そのため日本の極右勢力が、日本の中産階級の政治的な選択肢になることはない。国内の一部のこざかしい悪人が歴史問題を訴えても、一般国民の興味を引き難い。これは右翼温和派である自民党が支持を受ける、構造的な原因だ。

 

 それから産業の人口構造を見ていこう。第二次産業の労働者は一般的に、左翼政党の天然の支持者とされる。日本で過去10年間に渡り、15−64歳の生産年齢人口のうち、第二次産業の労働者が1500万人前後で推移し、総人口の22%(5分の1強)を占めている。それ以外の産業の人口を見ると、第三次産業が75%という圧倒的な割合を占めている。彼らがいわゆる中産階級だ。1970−80年代は、日本の中産階級が形成された時代だ。日本は「一億総中流」という現代産業化社会になった。中産階級と人口比率が低下する第一次産業の就業者は、政界の右翼・自民党の主な支持者になった。1990年代のバブル崩壊により、「一億」の中流階級が激震し、自民党の票田にゆらぎが生じた。日本の政界も、10年間で首相が9回交代するという政治変動期を迎えた。国内経済の長期的な不況を受け、日本の政界では自民党以外の野党も無策となった。10年以上の調整期間をへて、日本の政界は全体的な低投票率、単一政党の低支持率という「ダブル低ルート」に入った。この段階において、日本国内の産業構造に本質的な変化が生じなかった。そのため自民党を始めとする右翼・保守勢力の票田も変化しなかった。

 

 上述したように、日本という議会制の国において、産業構造は政治傾向の異なる政党の票田を決める。これは多くの場合、ある政党が政権を手にし、長期運営できるかを決める。そのため日本国内の中産階級の実際の生活状況と政治傾向は、右翼政党と保守勢力が政界でどのような地位を占めるかを左右する。次に、日本は超高齢化社会であり、65歳以上の人口が占める割合は、同年齢層の投票率と投票傾向の重要な参考指標だ。「過激な」若者と比べ、高齢者がどのような政治的選択を下すかは、言わずと知れたことだ。


「中国網日本語版(チャイナーネット)」 2017年8月22日 


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