安倍氏がメイ首相を厚遇、双方の思惑とは?

安倍氏がメイ首相を厚遇、双方の思惑とは?。

タグ:安倍 テリーザ・メイ

発信時間:2017-09-01 10:53:29 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 英国のテリーザ・メイ首相が30日に日本に到着し、3日間の訪問を開始した。日本政府筋によると、メイ首相は安倍晋三首相の招待に応じ、訪日中に日本の国家安全保障会議(NSC)の特別会合に出席する。これにより朝鮮半島の核問題、テロ対策問題に関する、両国の「団結」の姿勢を示すというのだ。

 

 日本が英国に「ゴマすり」をするのは、東アジア・アジア太平洋の安全問題への域外国の注意を引くためと分析されている。メイ首相はトニー・アボット前豪首相に続き、日本のNSCに出席する2番目の海外首脳となる。これは日英両国の安全面の協力が、実質的に強化されたことを示している。

 

 【EU離脱の下準備】

 

 安倍首相とメイ首相は今年、会談を2回行っている。メイ首相の就任後初となる訪日に向け、日本側は念入りに計画を立てていた。

 

 共同通信によると、安倍首相はメイ首相をNSCのほか、京都の茶道体験に招待した。さらに京都迎賓館で非公式の晩餐会を開くことで、個人的な関係を強化する。メイ首相はさらに訪日中、天皇と面談する。

 

 共同通信によると、朝鮮の核問題、テロ対策、経済・貿易、安全協力が両氏の会談の主な議題になる。

 

 中国国際問題研究院欧州問題専門家の張蓓氏は「英国はEU離脱に向けた国民投票後、グローバルなイギリスというスローガンを掲げ、EU離脱後に世界とつながるビジョンを描こうとした。そのため英国は既存のパートナーシップを強化する必要がある。日本は英国が比較的重視するアジア太平洋のパートナーであり、メイ首相の訪日は両国関係を強化し、EU離脱後の日本との経済・貿易協力を事前に手配することが目的となった」と分析した。

 

 「英国にはハードパワーが残されているが、外交は内政の延長線上にある。英国の国内情勢は、世界的に影響力を発揮する能力を大きく制限している」

 

 【双方の思惑】

 

 経済・貿易関係よりも、日英両国の安全面の協力の方が注目に値する。

 

 中国社会科学院日本研究所外交室の呂耀東主任は「EU離脱後、英国は経済・貿易協力で突破口を見出す。これは英国の需要の一つだ。日本にとっての主な需要は、安全面にある」と指摘した。

 

 「日米同盟には現在、問題が生じている。当然ながらこれは主に、経済・貿易面でだ。安倍首相は今後、安全面の協力を推進しようとする。二国間関係を見ると、日米同盟の他に、日本は欧州のこの伝統的で、いわゆる価値観が一致する国との協力を目指している」

 

 「メイ首相が日本のNSCに招待されたことは、両国の安全面の協力が実質的に強化されたことを示している。双方には双方の需要がある。英国はEU離脱後も、世界事業における存在感と影響力を維持しようとしている。日本は英国を抱き込み、東アジア・アジア太平洋の安全問題、特に朝鮮の核問題に注目させ、これらの問題で意思表示させることができれば、日本が国際事業においてアジア太平洋を飛び越え、日英同盟のみにこだわらないという姿勢を示すことができる」

 

 日英両国の軍機が昨年10月、戦後初めて空中作戦訓練を行った。英国軍はタイフーン戦闘機4機、空中給油機、輸送機、兵士150人を派遣し、極めて象徴的な意味が込められていると解釈された。

 

 呂氏は「英国からすると、アジア太平洋の安全面への注目は、朝鮮の核問題のみに留まらないかもしれない。日本は日英関係の強化により、海洋安全問題で事を構えることを計算している。両国が今後、軍事面で実質的な協力をするか、観察が必要だ。しかし我々はこれまで、朝鮮の核問題にせよ東アジア問題にせよ、日本がいわゆる価値観外交で抱き込んだ一部の人間が、アジア太平洋の平和と安定に向け建設的な力を発揮するのではなく、往々にして厄介事をもたらすことを目にしている。当然ながら我々は、英国が建設的な意見を出すことを願っている」と話した。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月1日

 


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