日本の平和主義は矛盾に満ちている
地域の脅威が日増しに厳しくなるにつれ、安倍晋三首相は憲法改正を何度も求め、日本の自己軍事能力の拡大を目指している。日米同盟が日本の防衛につながっているが、安倍晋三とその支持者は、日本が自国の力でもっと多くの事をする必要があると考えている。
2年前に安倍晋三首相の主導で、日本は自衛隊の海外作戦任務への参加を可能とする安全保障関連法案を承認した。日本政府は6年続けて国防支出を増やす予算案を出しており、防衛省は最近、米国から「陸上型イージス」という弾道ミサイル防衛システムを購入するための資金を要求。このシステムは地球の大気圏より上を飛行するミサイルを迎撃することができる。
日本国民の脅威に対する懸念が日に日に拡大しているが、核戦争の怖さを経験した唯一の国として、日本国民が戦争放棄の憲法を堅持するスタンスはずっと揺らがなかった。
アナリストは、国家安全の名目のもとでどこまで行きたいのかという問題を国民が考えたことは無いと指摘している。
52歳の森忍さんと娘は、200km離れたところから自動車で富士山へ来て、年に1度の演劇のような軍事演習を観覧した。森忍さんは、演習の見るのは好きだが、この砲火が実際には永久に利用されないで欲しいと述べた。「私は、平和の時代に長く生きてきた」と言い、「だから、次の世代にも平和を享受してほしい」している。
アナリストは、日本の平和主義の概念がこれまですっと矛盾をはらんでいたと指摘する。
「あれは偽の平和主義で、ずっとこうだった」。米国海軍海兵隊退役大佐で、日本戦略研究会・研究員のグラント・ニューシャム氏はこう話した。「憲法の平和主義条項は、日本が脅威に直面しないことを前提としている」。
確かに平和主義条項は、憲法に記された当初から柔軟性を持っていた。歴史学者のジョン・デュバル氏は、「曖昧なものに包まれている」との見解を示す。
自由派の人々は日本の軍事強化に反対し続けているが、アナリストは、若者が軍国主義に傾倒することの危険性を理解していないと指摘した。
「私は、全ての世代が平和主義を抱くだけで仕事をしていないと思う」。若者に平和主義がなぜ重要なのかを説き、カリフォルニア大学サンタバーバラ校で現代日本文化研究に従事するザビーネ・フリューシュトゥック教授は自身の見解を示した。彼女は「戦争をもてあそぶ:日本の現代軍国主義のパラドックスと子ども(Playing War: Children and the Paradoxes of Modern Militarism in Japan)」の著者だ。
「これは日本でブラックボックスに変わったものの一つ」とザビーネ・フリューシュトゥック氏は、日本の平和主義について触れると、「人々は、自分たちがずっと持っているもので、もともとこうだったと考えているだけ」とみている。
軍事行動に反対する組織「未来のための公共」メンバーの23歳の学生リーダー、中山美紀さんは、人々がすでに第二次世界大戦の教訓を忘れたと指摘。「彼らは、戦争が将来本当に起こることを想像できない」と話している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年9月3日