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日本の防衛省がフィリピンに、陸上自衛隊のヘリコプター部品を年内に無償で譲渡することになった。2014年に閣議決定された「防衛装備移転三原則」に基づく海外移転であり、今年5月に自衛隊の中古装備品を無償譲渡できるようにする改正自衛隊法が成立したことで可能になった。無償譲渡としては第1号となる。2日付産経新聞が伝えた。
東南アジア向けの防衛装備協力では、タイへの航空自衛隊の地上防空レーダーの輸出計画が明らかになっており、防衛省はそれと並ぶ中国に対するけん制措置と位置づける。
フィリピンに無償で譲渡するのは陸自の多用途ヘリ「UH-1H」の部品。フィリピン軍もUH-1Hを運用しており、今年に入り同軍関係者が訪日して部品の状態を確認した上で「譲渡してほしい」と要請してきた。
これまで財政法上、国の財産は適正な対価がなければ譲渡できなかったが、改正自衛隊法で中古装備品の無償譲渡を可能にする例外規定を新設した。
「防衛装備移転三原則」に基づき、今年3月には初めてフィリピンに2機の海上自衛隊の練習機「TC-90」を有償で貸与している。防衛省はさらに3機を来年3月までに貸与する方針で、これも無償に切り替える方向で調整に入った。
しかし実利を重視するフィリピンのドゥテルテ政権は中国との経済協力も深めており、対中けん制の効果も未知数だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年9月5日