東京電力が、福島第1原発の建屋周囲の地盤を凍らせる「凍土遮水壁」による汚染水発生量の低減効果は、1日当たり約80トンにとどまるとの評価結果をまとめた。凍土壁を含む複数の対策を合わせた場合の低減量は同約380トンで、国費約350億円を投じて建設された凍土壁は単独だと効果が限定的との見方が強まった。日本メディアが伝えた。
凍土壁は1−4号機の周囲の地盤約1.5キロに配管を埋め、冷却材を循環させて地中に氷の壁を築く。建屋への地下水の浸入を防ぎ、建屋地下の高濃度汚染水と混ざって汚染水が増えるのを抑える狙いがある。
東電のその他の措置には、建屋西側に穴を掘り地下水を組み上げて海に流す「地下水迂回放出」と、建屋付近の「サブドレン」がある。
評価結果によると、凍土壁を作る前に、雨水と地下水により1日平均約490トンの汚染水が発生していた。上述した対策を合わせた場合、凍土壁完成後の汚染水発生量は約110トンと、4分の1以下まで減っている。
凍土壁の凍結が始まったのは2016年3月。地下のほぼすべての範囲の温度が0度以下まで下がっている。維持費は毎年十数億円にのぼる。原子力規制委員会は当初より、効果を疑問視していた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年3月2日