弱肉強食論、日本の国益を損なう

弱肉強食論、日本の国益を損なう。

タグ:弱肉強食論

発信時間:2018-03-23 09:07:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本の自民党は20日の会議で、「防衛計画の大綱」の骨子案について議論した。これにはいずも型護衛艦を空母に改造するという案が含まれた。骨子案はいわゆる朝鮮の脅威と中国の海洋活動などを日本の「安全環境の悪化」の証拠とし、いずもの改造に合理性を持たせようとしている。

 

 日本国内の一部メディアは直ちに、空母は進攻目的の武器であり、日本の「専守防衛」の制限に抵触し、違憲の可能性があると指摘した。専守防衛にせよ、日本側が吹聴する「必要最小限の自衛能力」にせよ、他国の領土に壊滅的な攻撃を加える武器の保有を認めていない。しかし具体的な実践において、これらの原則の解釈はゴムのように拡大し続けている。1950年代以降の数十回の「憲法解釈見直し」と新法制定により、これらの原則の範囲がこれ以上できないほど拡大された。核兵器、大陸間弾道ミサイル、戦略爆撃機などの極めて少数の「大型兵器」を除き、自衛隊は保有できる武器をすべて保有している。安倍政権の解釈によると、攻撃性を持つ集団的自衛権も「専守防衛」とされている。いずもの改造、巡航ミサイルの開発の検討も、「必要最小限」の「専守防衛」という大きなカゴの中に入れられている。さらには「空母を防御のみに用いれば進攻目的の武器ではない」という奇妙奇天烈な論理で批判をかわそうとしている。

 

 軍事力の強化は、日本の歴代政権が引き継いできた国策であり、安倍政権下で急激に進んでいる。自民党を始めとする保守派が、重要な力を発揮している。日本の保守派は朝鮮と中国をやり玉に上げ、制限打破の口実にしている。平和憲法の影響を受ける国民に、社会保障を犠牲にし軍事費を拡大するよう説得する必要があり、さらに批判の的にならないよう国際メディアを説得する必要があるからだ。

 

 保守派は脅威を誇張し、「危機的情勢」という判断を掲げているが、これは彼らに特有の安全の発想によるものだ。日本の保守派、特に右翼の多くが「弱肉強食」を信奉し、力がすべてを決める根本だと信じている。そのため彼らは日本は制限を打破し、自国の実力の発展を妨げる縛りをほどくべきと考えている。日本の政治学者である山口二郎氏によると、安倍首相や石破茂氏のような戦争を経験したことのない「戦後世代」は、戦前の「世界の5強」の一つという日本の栄光を取り戻そうとしている。彼らは力の忠実な信奉者だ。

 

 国と国の交流において、日本の保守派は安全にはゼロサムゲームしか存在せず、自国の力を強化しなければ欲しいものは手に入らないと考えている。「ゼロサム」「弱肉強食」の理念に浸りきっているため、彼らは他人の行為をすぐに脅威とし、自分たちに対する障害だと見る。客観的に見れば、中国の平和的発展は誰に対する脅威にもならないが、日本の保守派は思考が制限されているため、中国を「敵」としている。 


 一国にとって実力の保有は、実力をいかに捉えるか、実力をいかに使用するかと同じく重要だ。海外を脅威と見なせば、実力をいかに使用するかで判断ミスに陥りやすくなる。日本にはその教訓がないわけではない。日本の安全政策が保守派が敷いた道を進み続ければ、ますますぎこちなくなるだけだ。実力によって覇を唱えることばかりを考え、協力できることで協力しなければ、最後に損なわれるのは日本の国益だ。(筆者・霍建崗中国現代国際関係研究院日本研究所副研究員)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月23日


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