中国文化・旅游(観光)部(省)の公式サイトによると、メーデー3連休中、中国全国の国内旅行者は前年同期比9.3%増の延べ1億4700万人に、国内観光収入は前年同期比10.2%増の871億6000万元(約1兆5079億円)に達した。連休中の中国国内の人気観光スポットランキングを見ると、重慶の「洪崖洞」が第二位にランク入りした。連休初日の4月29日、重慶の伝統建築様式で建てられた商業面積5万3000平方メートルのこの施設に、8万人以上が訪れた。大人気の動画ソーシャルアプリ・抖音(Tik Tok)に関連動画が大量に投稿され、人気観光地となった「洪崖洞」は連休中、まさに「黒山の人だかり」となった。中国放送網が報じた。
抖音が、「洪崖洞」を中国国内で大人気の観光地へと押し上げたといえる。抖音には、美しい洪崖洞の夜景を捉えた動画が数多く投稿されていた。
重慶洪崖洞景区管理公司の張奇・総経理によると、2017年以降、抖音では洪崖洞関連の動画が特に多くなった。洪崖洞のレトロな雰囲気を作り出す提灯、ミステリアスな雰囲気作り出す「吊脚楼」と呼ばれる建築様式など、壮大な世界観の建物が、抖音によって広く発信された。
張総経理によると、日本の大ヒットアニメーション映画「千と千尋の神隠し」の舞台となった、湯婆婆が経営する湯屋と酷似しているため、実際には何年も前から洪崖洞には多くの観光客が訪れるようになっていた。また、洪崖洞は重慶らしい建築様式であるため、「ネット上で人気急上昇中」といっても、すでに観光客を集める相応の「実力」を備えており、抖音で大きな話題となったからという理由だけで大人気となっているわけではない。まず、洪崖洞は山の崖に建てられた高床式の家屋「吊脚楼」で、中国でも珍しい建築様式だ。中国全土から見ても特徴ある建築様式とされているため、多くの専門家が視察に訪れる。加えて、吊脚楼の壁や屋根にたくさんの装飾を施したのが功を奏している。飾られている提灯は昨年下半期に交換されたもので、抖音で人気となったのはそれが最も綺麗な時期だったという。(編集KN)