近年、日本で労働人口が減少し、全国のレストラン、農場、建築現場は人手不足に悩まされている。また、東京オリンピックが2年後に迫り、日本の人材需要は急増することが予想される。これらを受け、日本政府は移民政策を緩和する姿勢を示した。
労働力不足を緩和するため、日本は6月15日に新移民政策を可決し、7年内に50万人以上の外国人労働者を誘致する方針を固めた。
イギリスのフィナンシャルタイムズは、日本の内閣はこの政策を通して農業、高齢者介護、建築業、ホテル業、造船業の労働力不足が深刻な5分野に新たに「指定技能」労働居留権を設けると報道。
日本の建設作業員の3分の1が55歳以上
労働力依存が深刻な日本の一部業種において、外国人は貴重な財産となっている。コンクリート作業を行う会社の塚田信一社長は、「22人の中国人とベトナム人の作業員の助けがなければ、東京にある小規模の弊社は生存できない。22人の外国人労働者は宝である」と話す。
近年、日本の建築業界では外国人労働者が増えている。深刻化する高齢化問題に悩むほかの業種と同様、建築業も若い労働者を必要としている。日本経済新聞社の英文メディア「Nikkei Asian Review」は、日本全国の建設作業員の3分の1が55歳以上だと伝えた。29歳以下はわずか29%、残りの約3分の1は29歳から55歳だという。ベビーブーム世代が退職し、日本の建築業と広範囲の経済分野で労働力不足はさらに深刻化するとみられる。
そのほか、2020年東京オリンピックが近づくにつれ、日本の建築業の労働力需要も増加する。現在27万4000人の外国人が日本政府支援の育成プロジェクトに参加し、同プロジェクトは日本で働くための扉となっている。実は同プロジェクトは1993年に開始したが、近年になってようやく発展した。これもこの10年で外国人労働者が激増した要因の1つである。
日本政府の新政策今後6年で外国人労働者50万人超誘致
中国、ベトナム、フィリピンなどからの外国人労働者が増加したことにより、日本は移民労働力の革命の時期を迎えている。イギリスやドイツの約300万人の外国人労働者と比べて、日本で働く外国人は少ないが、これまで移民を拒否していた島国にとって、これは非常に大きな変化である。
安倍首相も厳しかったビザ政策を緩和し、日本で働く外国人は過去5年で倍の128万人に達した。『日本経済新聞』は、安倍政権は普通外国人労働者向けに5年の労働ビザを発行し、2050年までに50万人以上の外国人労働者を誘致する計画だと報道。この新政策は建築、農業、介護などの労働力不足を緩和する業種での外国人労働者に対する言語要求を緩和するというもの。そのほか、研修生の滞在期間も10年に延長される可能性がある。
新政策に対して日本国内では賛否両論
「Nikkei Asian Review」によると、日本で、移民は政治的色合いを持つ話題である。安倍政権には「多くの移民を受け入れれば、経済と社会の問題が発生する」と警告する人もいる。そのため、安倍首相は企業がそれぞれ必要な労働力を得られるように努めながらも、移民問題において慎重な姿勢を維持している。
安倍首相は今年2月に外国メディアの取材に応じた際、「政府はいわゆる移民政策をとるつもりはない」と話していた。 しかし統計を見ると、日本で生活する外国人は過去3年で20%増加し、2017年には総人口の2%を占める260万人に達した。東京で生活する成人の8分の1が外国人である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年6月28日