周牧之・東京経済大学教授による閉会挨拶
指標への絶賛と期待
席上、挨拶に立った福川伸次氏は「指標には今後、お笑いや美術市場、美味しいレストランなど文化分野で、都市の状況を盛り込み、AI技術を駆使して分析し、都市の魅力の多様化に繋げて欲しい」と期待した。杉本和行氏は「指標には中国の都市の持つ課題が提示された」と高く評価。森本英香氏は、「膨大なデータを一枚の図にして多数提供した。中国の行方を見定める指標として学ぶところが多い。これは世界の環境問題の解決を、日中でリンクして進めるきっかけになる」と力説した。
中国大使館の阮湘平公使参事官は、「改革開放40周年、日中平和友好条約40周年の節目に出版された、さながら人間ドックの“都市版”とも言えるこの指標が、定期的に中国の都市発展上、警鐘を鳴らす存在であって欲しい」と述べた。古川実日立造船相談役・元会長は、「先日、深圳市を訪問したところ連日素晴らしい青空が広がっていた。深圳はまさに中国都市ランキング環境No.1の通りの都市であった」とし、同社のゴミ焼却炉、肥料製造など環境関連技術を紹介し、「引き続き中国の環境改善に貢献したい」と決意を表明した。
新井良亮ルミネ相談役は、「指標は、環境、経済、社会の三つの視点で都市を見たときの、人びとや企業が考えるべきことを提示した」とし、宮島和美ファンケル副会長執行役員・元会長は「中国の広大さを実感させられる295都市を全て網羅した」と、同指標の重要さと有益性に言及した。武田信二東京放送ホールディングス会長は、「この指標は、現代中国の都市思想の拠り所になりうる」と絶賛。森本章倫早稲田大学教授は、「指標を使い、共に中国と日本の役に立つ研究を周先生と一緒に進めて行きたい」と述べた。
島田明日本電信電話副社長は、「中国語版指標を手に取った時、これの日本語版があるといいねという話になった。それが実現した」と喜びを語り、「データ解析などの手段で、日本と中国が一緒に発展する手伝いをさせて頂きたい」と語った。前多俊宏エムティーアイ社長は、「周教授は10数年前からメガロポリス発展戦略、都市化など今の中国の状態や課題を言い当ててきた。指標のランキングそのものがメッセージであり、これから10年後の中国、そして世界に色々な影響を与えるとものとなる」と讃えた。
中井徳太郎環境省総合環境政策統括官は、「地球全体と人間とが折り合いの付いていない現在、持続可能性をどう追求するかを見極めて実行する時期にきている。この視点で、指標が3×3×3の構造で可視化した中国の都市発展を日中協同で進めていきたい」とパーテイを締めくくった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月23日