日本人も昔は春節を祝ったが、明治維新後に西暦1月1日を新年と定め、春節の風習は薄れていった。当然、日本に住む中国人は春節を祝う。毎年その時期になると、日本の3大中華街(横浜、神戸、長崎)は獅子舞などの活動を行い、春節ムードを感じることができる。
しかし、今年は状況が大きく異なる。旧暦の大晦日にあたる2月4日18時30分、東京タワーは中国の春節を祝い、東京タワーを赤くライトアップするイベントを開いた。大勢の日本人見物客と主催機関が点灯をカウントダウンした。ほぼ全ての日本のテレビ局が中継し、SNSも「チャイナレッド」の東京タワーの写真に覆われた。東京タワーが赤のライトアップで中国の春節を祝うのは初めて。
さらに、点灯式の後、各テレビ局は安倍首相の新年のビデオメッセージを流した。首相は中国語で「大家、過年好!(みなさん、あけましておめでとうございます)」と挨拶し、「百聞は一見に如かず」という言葉を用いて中日両国民の交流増進を呼びかけた。
今年、日本の各中華街の活動は往年を超える盛り上がりを見せた。神戸市南京町の中華街はコスプレパレードを行い、楊貴妃、包拯、『西遊記』の師弟4人など中国の有名キャラクターが登場し、日本人の注目を集めた。東京タワーの下でも中国要素に溢れたランタンイベントが行われた。
2016年から毎年、日本のニコニコ動画は中国の春節晩会を放送し、今年も例外でなかった。大晦日に6万人以上の日本人がオンラインで「春節晩会」を視聴し、中でもジャッキー・チェンの歌、漫才「站台」が人気を集めた。「站台」の鉄道夫妻が2~3分だけ会えるという状況に、日本の視聴者は「涙が出る」、「感動した」とコメントした。
2月上旬、日本のSNSで春節が最も話題になり、日本人も春節を祝うかのような盛り上がりとなった。旧暦1月4日に『環球時報』の記者の自宅に招かれた日本人記者は、「日本の中国に対する世論は大幅に改善されている。日本政府が中国との関係に重視する態度を示したことも良い促進作用となった。同時に、日本の右翼も以前ほど活発ではなく、中国を批判したり悪く書く記事や出版物も減っている。多くの日本人が海外のことに興味を持っていないが、偏った声ばかりを聞くのも嫌だと思っている」と話した。
日本大学のある教授は、日本人の対中心理は変化したとし、次のように語った。2010年、日本の経済規模は中国に抜かれ、日本人は信じられない、受け入れない、中国を中傷するなどの段階を経た。今では中国経済に関して悪口を言う日本人はほとんどいない。年間700万人の中国人が日本に旅行し、これは日本に巨大な経済効果をもたらし、日本社会に中国との協力の重要性を認識させた。
環球時報日本駐在特約記者 李珍
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年2月14日