「福利」が罵声を浴びているのはなぜだろうか。日本は長年に渡る少子化問題を改善するためあらゆる手を講じている。安倍晋三首相はこのほど、ビデオメッセージの中で次の大々的な対策を打ち出した。今年10月より所得制限なしで、3−5歳の児童を幼稚園及び保育園に無償で預けることができるというのだ。しかし環球時報の記者の調べによると、この「幼保無償化」と呼ばれる政策は非常に複雑で、かつ宣伝されているほど理想的なものではない。8日付日本経済新聞は、幼保無償化は安倍政権の「看板政策」であるが、その前途は不明瞭だと論じた。
日本メディアの報道によると、日本は10月より所得や国籍の制限なしで、3−5歳の児童の幼稚園及び保育園の費用を無償化する。国は毎月2万5700円を上限に助成金を支給する。一部の都道府県は医療助成の範囲を中学生まで拡大し、15歳までの医療費を無償化する。
環球時報の記者が内閣府の公式サイトを閲覧したところ、いわゆる幼保無償化とは設備の使用料の免除を指し、食費や活動費などは保護者負担となる。
日本の週刊誌のウェブサイトによると、低所得などの原因により、幼稚園教諭の大量退職、児童虐待などの問題が後を絶たない。幼保無償化は「節約優先」で、保育施設の質の低下、教諭の数の不足、勤務環境の悪化などの問題を根本から解消できず、また児童への教育の質を保証できないとされている。
自民党はSNSでこの成果を大々的に宣伝しており、安倍氏の動画のリツイートに「自民党の執行力」「日本の明日を切り拓く」などのタグを付けている。ところが国民はこれに喜ばず、冷淡な態度を示している。
ネットユーザーの多くは、少子高齢化問題の根源は若者の低賃金、生活と仕事の重い負担にあるとしている。結婚し子供を作れる人はある意味、日本社会の「富裕層」とされている。幼保無償化はこの集団を再び既得権益者とするが、実際に支援を必要としている人は搾取されるばかりだ。国民の幸福を本当に願うならば、消費増税を見送るべきという声もある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年9月9日