日本政府は2日、日本南西の無人島を160億円で買収することで地権者側と合意したことを確認した。米軍空母艦載機による陸上空母離着陸訓練(FCLP)に提供する。
日米政府は2011年に、米軍艦載機の訓練場所を馬毛島に移転することで合意した。九州の南にある馬毛島(鹿児島県西之表市)の面積は8平方キロメートルで、日本南西の沿岸部から約30キロ離れている。
日本の菅義偉内閣官房長官は2日の記者会見で、防衛省と地権者側は11月29日に買収で合意に達したと述べた。
「FCLPの施設の確保は安全保障上の重要な課題だ。早期に恒久的な施設を整備できるよう、引き続き取り組む」
米軍空母艦載機は当初、神奈川県厚木基地でFCLPを行っていた。訓練で大きな騒音が発生するため、基地周辺の住民が苦しめられていた。訓練場所は1991年より東京から南に約1000キロ離れた硫黄島に変更された。すべての米軍艦載機人員が昨年、西日本の山口県岩国基地に移った。
岩国基地は硫黄島から約1400キロ、馬毛島から約400キロ離れている。米国は新たな訓練基地への早期移転を希望している。
山口県岩国市の福田良彦市長は、政府の決定は「大きな前進だ」と述べた。「恒久の訓練施設の建設は、岩国の住民の懸念を解消する必要な措置だ。政府に(馬毛島の)施設の早期建設を求める」
東京の開発業者が馬毛島の大半の土地の所有権を持っている。同社の会長交代により、同社と日本政府による交渉は今年5月に決裂していた。双方は秋に交渉を再開した。
菅氏は、買収が完了していないため詳細なコメントを控えると述べた。
西之表市の八板俊輔市長は以前、日本政府が地権者と土地購入契約を結んだとしても、西之表市は戦闘機の訓練よりも適した手段による馬毛島の開発を目指すと表明した。
AFP通信の2日の報道によると、馬毛島周辺の島で暮らす住民は、訓練による騒音を懸念している。
在日米軍は日本各地の住民を苦しめている。沖縄県は米軍による犯罪、軍機墜落、高空からの落下物、騒音などに苦しめられており、米軍基地移転を主張し国を提訴している。東京の裁判所は昨年末、東京都郊外の在日米軍横田基地の騒音が周辺住民の生活の妨げになっているとして、政府に対して賠償金の支払いを求める判決を下した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月4日