広州市のIT企業に勤める31歳女性の陳さんも、2020年の春節に家族3人で東京や北海道を観光する予定だ。煩雑だと感じたのはビザの手続きだという。「身分証などたくさんの資料を提出しなければならず大変だった。(以前の)韓国のビザ取得のほうが簡単だった」
成都市で働く33歳男性の陳さんは、年に2−3回日本を観光で訪れる。旅行自体の満足度は高いが、交通インフラについては不満を感じている。「(日本は)タクシーがとても高額なため、外国人観光客にとって電車が実質的に唯一の移動手段だ。ただ(日本の鉄道は)JRや地下鉄の違いのほか、普通や特急、準急など様々な種類があり分かりにくい」と不満を漏らした。また、「中国人の観光客が多いわりに、中国語の案内表示は少ない」という。
日本のバリアフリーに関する不満も良く聞かれる。中国人観光客はかつてのような「爆買い」をしなくなったとはいえ、日本で多くの商品を買って帰る場合が多く、荷物は重くなる。陳さんは「エスカレーターが整備されていない場所が多く、大型のスーツケースを持つ人にとって極めて不便だ」と話した。
生活習慣に関する不満もある。中国では食事の際に冷たい水ではなくお湯を飲む習慣がある。広州市の動物病院で働く28歳女性の陳さんは、12月中旬に東京と北海道を旅行したが、「飲食店で温かい飲み物が出ないので、自分で水筒にお湯を入れて携帯した」という。
「フォークが入っていないなんて!」と驚いたのは上海市で働く20代の女性だ。中国のカップ麺には通常、プラスチックのフォークがカップの中に入っている。困った末に、この女性はホテルの室内にあった歯ブラシ2本で食べたという。
他にも「路上にゴミ箱が少なく、どこにゴミを捨てていいのか分からない」「免税手続きで長時間並ばなければならず非効率」といった不満もある。
中国からの訪日客は、海外からの訪日客全体の約3割を占める。中国など海外からの訪日客が日本観光を楽しみ、一人でも多く「また来たい」と思ってもらえる取り組みを進める必要は、日本側にまだまだありそうだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年1月6日