感染症の危機をチャンスに 中日韓の民間の新たな協力を模索

感染症の危機をチャンスに 中日韓の民間の新たな協力を模索。新型肺炎は日韓などの隣国で国際的に蔓延しているが、これは近年の北東アジアの地政学的関係に新たに生じた変化を側面から反映している…

タグ:感染症 地政学 交流 民間 

発信時間:2020-03-02 10:48:16 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 武漢市で発生した新型コロナウイルス肺炎の感染は、すでに1カ月以上も続いている。今回の新型コロナウイルスは感染力が強く、すでに中国各地に拡散しており、最近は世界に蔓延する傾向も生じている。世界的な急拡散は世界各地及び各国に重大な影響を及ぼしている。中国の隣国である日本と韓国が特に深刻な影響を受けている。新型肺炎は日韓などの隣国で国際的に蔓延しているが、これは近年の北東アジアの地政学的関係に新たに生じた変化を側面から反映している。3カ国及び北東アジア全体はすでに社会の各分野で高度に依存・融合し合っており、突発的な事件から同じ衝撃を受ける。この状況は3カ国及び北東アジアの協力に、次の新たな課題を突きつけた。これはつまり、感染対策の国際協力枠組みを構築し、長期的に効果を発揮する民間の新型協力関係を模索するということだ。


 中日韓の社会関係の緊密化は、北東アジアの地政学的関係の新たな局面を形成した。かつて人々は常に経済関係の角度から中日韓の関係の緊密ぶりを観察していた。近年は人員の流動を始めとする人文交流の拡大により、民間関係がより深まっている。訪日外国人客数は3年連続で3000万人を突破しており、うち中国人客は昨年960万人にのぼった。多くの中国人の訪日旅行は、中国人の日本社会への認識を大きく変えた。韓国で感染状況が深刻になるなか、多くの在韓中国人が緊急帰国し、両国の緊密な人文交流を反映した。地政学的関係は地理的位置を基礎とするが、より中心的なのは同じ地域内における各国の関係の深まりだ。17年前のSARS、2011年の東日本大震災の影響も隣国に拡大したが、その程度を見ると今はすでに昔の比ではない。17年前と比べると、中国経済の世界における地位が飛躍的に高まっており、GDPの世界全体に占める割合は4.3%から16.3%に上昇した。日韓などの隣国との民間人文交流も新たな高みに達した。


 3カ国の民間の関連性がかつてないほど高まり、北東アジアの地政学的・民間関係が高度依存・融合という新情勢に入るなか、突発的な衝撃の影響は一国内に留まらず、非常に容易に隣国に拡大する。今回の新型肺炎の韓国及び日本における急激な蔓延は、上述した状況を直観的に反映した。韓国疾病管理本部が27日に発表したデータによると、韓国全土の感染者は1776人、死者は13人にのぼり、中国を除き感染者が最多の国となった。日本の感染者は26日の時点で894人で、うちクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」は705人。両国は感染対策レベルを大幅に上げ、感染対策をさらに強化している。日本政府は小中学校などの休校を要請し、各種集会の停止とテレワークなどを呼びかけている。中日韓はいかに効果的に感染対策を行うかという厳しい挑戦に直面している。これは3カ国民間協力の強化の必要性を浮き彫りにした。3カ国さらには北東アジアの協力を通じ、ウイルスの危害を取り除く全体的な実力を強化する必要がある。


 中日韓の協力は近年、重要な進展を実現している。これは3カ国間で感染対策協力枠組みを構築し、未来の民間協力を推進するため有利な政治的基礎を提供した。昨年末、中日韓首脳会議が中国の成都市で開かれた。3カ国は各分野の協力強化について高度な共通認識を形成し、かつ中日韓FTA交渉の加速、多くの具体的な協力について合意した。中国の習近平国家主席は今年、適切な時期に日本を訪問する。日韓の深刻な感染蔓延を受け、中国外交部は3カ国の衛生・防疫協調緊急対応枠組みの構築を呼びかけた。実際に今回の感染症が中国で急速に蔓延するなか、日本や韓国などは中国に多くの医療物資を提供した。3カ国はすでに良好な協力関係を開始した。現状を見ると、中国は最も深刻な被害国として今回の感染対策の中で最大の努力を行っており、高い効果を手にし多くの経験を蓄積した。国内の感染状況はすでに安定段階に入っている。日本と韓国は市中感染の段階に入っており、大規模流行のリスクが存在している。しかし両国には良好な防疫制度と医療条件、感染蔓延を効果的に抑制する客観的な基礎が備わっている。3カ国は制度・体制が異なるため、協力枠組みを構築し、相互の情報交流を強化し、相互補完により効果的な予防・治療体制を構築することで、より効果的に感染蔓延を抑制できる。


 3カ国は現在、感染症をめぐり緊急協調・対応枠組みを構築し、感染関連情報を共有し、各自の衛生・防疫経験及び臨床診断・治療経験を交換するべきだ。今回の感染症の発生はまた、中日韓及び北東アジアの民間協力の強化の必要性を浮き彫りにした。3カ国は今後、感染対策の協力を踏まえた上で、長期的に効果を発揮する地域的突発重要事件に対応する協力枠組みを構築し、民間の全面的な協力を推進するべきだ。(筆者・崔岩 遼寧大学日本研究所教授、中日韓思想庫ネットワーク遼寧研究基地主任)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年3月2日

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