この恨み、晴らさでおくべきか。韓国の丁世均首相が20日、米国、日本及び朝鮮戦争に参加した同盟国への「マスク支援」を検討するよう各部門に指示した。この情報が伝わると韓国の世論が沸騰した。韓国人は続々と青瓦台に対して、「日本へのマスク支援に断固反対」と請願した。理由は「良心や道義のかけらもない日本など韓国の人道支援に値しない」だ。
20日付韓国日報が一面に掲載したスクープによると、丁氏は先ほど開かれた新型コロナウイルス感染対策会議において、「マスクの輸出もしくは対外支援は、韓国のイメージ向上につながる」と述べた。また韓国外交部、食品医薬品安全処などの部門に対して、米国、日本及び朝鮮戦争に参加した同盟国へのマスク支援プランを検討するよう求めた。しかし国民感情を総合的に考慮し、世論から承認を得ることを前提とした。
「日本を支援先から外せ」大衆感情が激高する韓国人は、政府にこのように訴えた。韓国のニュースサイト「News1」の21日の報道によると、丁氏の指示内容が報じられると、青瓦台国民請願サイトに「日本へのマスク支援に反対」に関するさまざまな請願が出た。最も多い請願は1日もたたないうちに6万人弱の署名を与えた。「日本人には良心や道義のかけらもない。韓国人ははっきり覚えている。2011年に日本で大震災が発生した当時、韓国は日本に大量の支援を行ったが、相手側からは徹底した無視を受けた。こちらの情熱は冷たいあしらいを受けた。韓国が支援する貴重な防疫物資が日本に到着しても、日本側はまったくためらうことなく我々の気持ちをゴミ箱に捨てるか踏みにじり、かつ民間に韓国をからかうよう働きかけるだろう……」
韓国のネットユーザーは「米国に支援するのはまだ分かるが、なんで日本が?送るならマスクに独島は韓国領と明記せよ」「日本が昨年、韓国に輸出を規制したばかりであることを忘れるな」「このニュースを見たら血圧がグンと上がった」とコメントし、賛同した。
21日付ソウル新聞の記事によると、会社員の金さん(51)は「日本は過去の侵略の歴史について反省・謝罪しないばかりか、経済面で韓国の首を絞めようと試みている。だからいかなる名義であっても、韓国政府による日本へのマスク支援に反対する」と述べた。また韓国の感染状況は沈静化に向かっているが、完全には終息していない。マスクの供給が依然として不足しており、1人あたり1日5枚の購入制限が続き、マスクの価格が下がっていない。この状況下、韓国政府が日本を含む外国にマスク支援を行う必要性については「疑問視」せざるを得ないとする観点もある。ソウル市民の金さん(54)は、「家族で使用するマスクを一度に購入するのは現在決して容易なことではない。政府が指定する販売店のマスク価格は1枚1500ウォンだが、民間の流通価格は約3000ウォンだ」と述べた。
しかし韓国国内にも、韓日関係改善を考え、感染状況が深刻化する日本に必要なマスク支援を行うべきとの声がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月22日