非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の川崎哲国際運営委員は、日本の防衛費の一部を新型コロナウイルス対策に使えば、多くの人工呼吸器などを確保できると試算した。また政府のコロナ対応を振り返り「もし(これらの経費が)核兵器に使われたら(コロナに)対処できない」と指摘した。また「武器を買う金」を医療に用い、「核兵器禁止条約」に参加するよう求めた。共同通信が伝えた。
報道によると、この試算は2020年度当初予算の5兆3000億円の防衛費のうち、本年度の契約に基づき支払われる「一般物件費」の1億1000万円を医療に用いると想定。それによると、1年で集中治療室(ICU)のベッドを1万5000床、人工呼吸器を2万台確保し、さらに1万人の医師及び7万人の看護師の賃金を支払えるという。川崎氏はさらに2020年度防衛費の各項目に注目した。海上自衛隊の護衛艦「いずも」の「空母化」、及び同艦に搭載するF35-B戦闘機6機の調達にかかる費用は総額824億円だが、これはPCR検査センター130カ所以上の設置費用に相当するという。
また政府が計画を断念した陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の129億円の関連経費があれば、看護師を4000人追加できるという。
川崎氏は「政府は国を守ると称しているが、実際には非常事態にもマスクさえ送れないほどだ。戦争や核爆発が発生すれば、我々を守ることなど不可能だ」と指摘した。
「武器を購入し、米国の核抑止力で国を守るのもおかしな話だ。国民を本当に守るならば、金をどこに使うかを考えるべきだ」
川崎氏はさらに、政府は核兵器の保持及び使用を全面的に禁止する「核兵器禁止条約」を結び、条約に参加すべきと主張した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年7月27日